ビジネスの統計や経理で使う言葉に「受注高」と「売上高」があります。
このふたつはどのような違いで区別されるのでしょうか。
今回は、「受注高」と「売上高」の違いについて解説します。
「受注高」とは?
「受注高」とは、「発注を受けた工事やプロジェクトの集計金額」を意味する言葉です。
「受注高」の使い方
「受注高」の「受注」とは「注文を受け付けること」を意味する言葉です。
注文とは「仕事の依頼」を指しているので「受注」は「仕事の依頼を受け付けること」を意味します。
「受注高」の「高」とは「金銭や物品の量」を意味します。
「受注高」が表しているのは「仕事の依頼を受け付けた量」であり、より具体的には「受け付けた仕事の合計金額」を指します。
ビジネスでは仕事の依頼と代金の支払には時間差があるのが普通です。
仕事が完成した段階で代金を全額支払ったり最初に半額を支払っておいて完成後に残金を支払ったりなどケースごとに具体的な支払い方法は異なりますが、一般的に発注段階で代金を全額支払うことはありません。
支払いがあとになる契約で仕事を受ける場合、受注した仕事の量は将来的な支払いに直接的につながります。
企業にとっては一種の資産のようなものでありそのような将来受け取る予定の金額を集計したものが「受注高」です。
「受注高」は正式に依頼を受け契約が成立した案件を対象に集計します。
基本的には確定した金額として扱われますがキャンセルや契約変更により変動する可能性を含む数字です。
「売上高」とは?
「売上高」とは、「企業が商品やサービスを販売することで獲得した売上金額の総計」を意味する言葉です。
「売上高」の使い方
企業が商品やサービスを売って得た代金のことを「売上」といいます。
売上は企業会計における本業の収益を指す言葉で「ある一定期間に得た売上の総合計金額」を「売上高」と表現します。
一般的には四半期や半期など会計年度ごとに計算された売上の合計金額を「売上高」といいます。
「売上高」が多ければ多いほど企業は商品やサービスを販売して得た収入が多いということになりますが「売上高」が表しているのは販売金額の総合計なので必ずしも利益と結びつくものではありません。
「売上高」が高くても利益率が低ければ純利益は低く「売上高」が低くても利益率が高ければ多くの利益を得ることになります。
「受注高」と「売上高」の違い
「受注高」と「売上高」の違いは「代金のやりとり」です。
「受注高」は注文を受けた金額の総合計でありその時点ではまだ販売されていないので代金を受け取っていません。
「売上高」は商品やサービスを販売して得た金額でありその時点で代金を受け取っています。
将来受け取る予定の代金合計が「受注高」、既に受け取った代金の合計が「売上高」という違いで区別されます。
「受注高」の例文
・『過去最高の受注高を達成した』
・『受注高は横ばいで推移している』
「売上高」の例文
・『売上高がなかなか伸びない』
・『売上高は上がったが値引き販売したので純利益は下がった』
まとめ
「受注高」と「売上高」はどちらも企業業績を表す数字として使われますが表している内容に違いがあります。
それぞれが何を指しているのかを知り企業会計について正しく理解しましょう。