労働者を指す言葉として「従業員」と「職員」と「社員」がありますがこれらはどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「従業員」と「職員」と「社員」の違いについて解説します。
「従業員」とは?
「従業員」とは、「企業の指揮命令下で働くすべての人」を意味する言葉です。
「従業員」が指すのは「その会社で働くすべての人」です。
正社員だけではなく派遣社員や契約社員、アルバイトやパートまで雇用形態や役職にかかわらず働くすべての人が「従業員」に含まれます。
経営者である役員に関しては「従業員」に含まれないケースもありますが、一般的な意味合いとしては役員も含むという考えが強く会社で業務に従事しているすべての人は例外なく「従業員」と呼ばれます。
「従業員」の例文
・『従業員に対して特別研修が行われた』
・『従業員一同心よりお待ち申し上げております』
「職員」とは?
「職員」とは、「職場で業務に従事している人」を意味する言葉です。
官公庁や学校、研究機関などあらゆる職場に対して用いられる言葉です。
法律上は「雇用関係を結んで働いている人」を指す言葉であり労働者に対して使われるので役員や経営者に対しては用いられません。
一般的には会社以外の場所で働いている人に対して使われることが多く、民間企業や会社で働く人に対して用いても間違いではありませんがあまり見られない用法です。
雇用関係のある者を意味するので個人事業主に対しては使いません。
「職員」の例文
・『市役所の職員に採用が決まった』
・『税関の職員として長年勤めています』
「社員」とは
「社員」とは、「会社に雇用されて働いている人」を意味する言葉です。
一般的に「社員」という言葉はアルバイトやパートなどの非正規労働と区別する意味合いで使われます。
会社と直接雇用契約を結ぶ「正社員」以外にも人材派遣会社に所属する「派遣社員」や期限を区切って雇用関係を結ぶ「契約社員」などいろいろな雇用形態がありますが一般的に「社員」という場合は会社と直接雇用契約を結正社員のみを指します。
「社員」の例文
・『社員総出で大売り出しの準備を行う』
・『経営立て直しのために社員を対象に希望退職を募る』
「従業員」と「職員」と「社員」の違い
「従業員」と「職員」と「社員」の違いは「雇用契約」と「職場」です。
「従業員」は会社や団体で働くすべての人を表す言葉です。
雇用契約を結んでいる人が対象ですが正社員だけでなくアルバイトやパート、派遣社員や契約社員など非正規労働も含みます。
「職員」は職場で働く労働者を指す言葉で会社以外にも官公庁などあらゆる職場で使えます。
雇用契約が前提なので経営者は含みません。
「社員」とは会社組織と正式な雇用契約を結んで働く正社員を意味する言葉で役員は含まれません。
「従業員」と「職員」は法律でも用いられる正式な用語ですが「社員」は法律には登場しない俗称という違いもあります。
まとめ
「従業員」と「職員」と「社員」は同じ意味で使われることも多いのですが本来はまったく違うものを指す別の言葉です。
それぞれが何を表すのか正しく理解しておきましょう。