この記事では、「油」と「脂」の違いを分かりやすく説明していきます。
「油」とは?
水に溶けず、水よりも軽く、燃える性質のある物質のことです。
その中で常温では液状になっているものをいいます。
植物を原料にして搾り取られるものに、この言葉が指すものが多いです。
たとえば、大豆油、コーン油、菜種油、紅花油、オリーブオイル、ごま油などがこれにあたります。
どういったものを原料にするかによって、風味や香り、脂肪酸の割合などが異なります。
世界で一番生産量が多い「油」はパーム油です。
食用、化粧品、洗剤など、さまざまなものに使用されています。
特に食用に利用される割合が多く、8割ほどになります。
2番目に生産量が多いものは大豆油です。
揚げ物用として広く使われるだけでなく、マーガリンやショートニングなどに加工されたり、コーン油や菜種油などとブレンドしたサラダ油にしたりしても利用されています。
ごま油には香ばしさがあります。
炒ったごまから抽出したものは茶褐色をしており、香ばしい香りと味があり、サラダや炒め物などの風味づけとして利用されています。
亜麻仁油はオメガ3系脂肪酸を多く含むものです。
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
不飽和脂肪酸はさらにオメガ3、オメガ6、オメガ9にわけることができます。
オメガ3とオメガ6は食事などから摂取する必要がある必須脂肪酸です。
他の「油」はオメガ6の割合が多く、意識しなくても十分な量を摂取できているのですが、オメガ3は不足傾向だといわれています。
「油」の言葉の使い方
水に溶けず、水に浮かび、燃える性質のある物質の中で、常温では液体のものを指して使用します。
「脂」とは?
水に溶けず、水よりも軽く、燃える性質のあるものの中で、常温では固体のもののことです。
動物から得られるものの多くがこれにあてはまります。
たとえば、豚脂、牛脂、バターなどがあります。
植物性のものですが、ココアバターは常温では固体なので「脂」といいます。
動物性のものに含まれる脂肪酸は、飽和脂肪酸が大部分を占めています。
脂肪酸は炭素がつらなったような構造をしています。
この構造の中に二重結合を持っていないものが飽和脂肪酸で、安定している性質があります。
動物由来のものは、食用に主に使用されています。
たとえば、豚脂や牛脂などは肉を焼いたり、野菜炒めをしたりなどに使います。
お菓子にも使用されており、サーターアンダギーには欠かせないものです。
「脂」の言葉の使い方
水に溶けず、水よりも軽く、燃える性質のあるものの中で、常温では固体のものを指して使用する言葉です。
「油」と「脂」の違い
水に溶けない、水よりも軽い、燃えるという性質を持つ点は同じですが、常温での状態に違いがあります。
常温での状態は、前者は液体、後者は固体です。
まとめ
2つのものは似た性質を持っていますが、常温での状態に違いがあります。