この記事では、「様子を伺う」と「様子を窺う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「様子を伺う」とは?
状態や状況などを見るという意味です。
この意味の見るとは、目で見るという意味の場合もあれば、尋ねるという意味の場合もあります。
「伺う」には4つの意味があります。
1つめは、「聞く」を相手に敬意を払った語にしたものです。
自分を低くしたいい方になります。
2つめは、「問う」「尋ねる」を相手に敬意を払った語にしたものです。
相手の人に意見を聞きたかったとします。
相手は自分よりも目上なので丁寧な言葉を使用します。
そのときに「意見をお伺いしてもいいですか」のような使い方をします。
3つめは、「訪れる」を相手に敬意を払った後にしたものです。
訪問するといった意味になります。
自分から目上の人の家などに行く場合をいいます。
4つめは神仏からのお告げを願うです。
様子は見てわかるものなので、「様子を伺う」という場合の「伺う」を訪れるという意味で使用するとおかしいです。
そういったことから、状態や状況などを見る、問うといった意味になります。
「様子を伺う」の使い方
どういった状況なのか、どういった状態なのかを知りたいときに使用をします。
「様子を窺う」とは?
状態や状況などを見るという意味です。
ひそかに見るような場合をいいます。
牧場に行って牛を見たとします。
牛は柵の中からこちらを見ています。
どうやら人間が何をするのか気になるようです。
さっきからチラチラとこちらに目を向けています。
このようなさまを意味する言葉です。
窓の外から家の中の様子を見ようとしたとします。
のぞき見をしたいのではなく、中の状態がどうなっているのかを確認するためです。
中にいる人に知られないように、ひっそりと見ています。
このようなさまも意味する言葉です。
「様子を窺う」の使い方
どういった状況なのか、どういった状態なのかを見るという意味で使用をします。
ひっそりと見る場合に使うことが多いです。
「様子を伺う」と「様子を窺う」の違い
2つの言葉の意味は同じです。
しかし、「伺」の漢字を使用した場合は、目で見るという意味だけでなく、尋ねるという意味になることもあります。
目で状況を確かめるという意味にもなれば、人に聞いて状況を確かめるという意味にもなるのです。
「窺」の漢字を使用した場合は、尋ねるという意味にはなりません。
「様子を伺う」の例文
・『猫が飼い主の様子を伺う』
・『相手の様子を伺う』
・『互いに様子を伺う』
・『様子を伺うことがしばしばある』
「様子を窺う」の例文
・『捜査員の様子を窺う』
・『遠くから様子を窺う』
・『扉のすき間から様子を窺う』
・『小さな穴から様子を窺うことができる』
まとめ
2つの言葉の意味は同じで同じように使われています。
しかし、「伺」の漢字を使用した場合は、見るという意味だけでなく、尋ねるという意味になることもあります。
この点が2つの言葉の違いです。