この記事では、「粕漬け」と「奈良漬け」の違いを分かりやすく説明していきます。
「粕漬け」とは?
肉、魚、野菜などを酒粕に漬けること、またそのように作った食べもののことです。
この料理には必ず酒粕を使用します。
漬けるものは、肉、魚、野菜などさまざまです。
肉の場合は鶏肉や豚肉が使用され、漬けた後に焼いて食べます。
魚はいろいろなものが使われており、サワラ、サバ、赤魚などで作ることができます。
生の状態で漬け込んで、味がしみ込んだら焼きます。
焼くときに焦げないように注意が必要です。
野菜の場合だと、キュウリ、ニンジン、キャベツ、タマネギなどさまざまなもので作ることができます。
野菜は加熱せずに食べられます。
カブを使ったものの作り方を簡単に説明します。
材料は、カブ、酒粕、料理酒、砂糖です。
カブは皮をむいていちょう切りにします。
酒粕、料理酒、砂糖を混ぜ合わせたものに、切ったカブを漬け込みます。
味がなじんだら食べごろです。
酒粕は発酵食品で整腸作用が期待できます。
また、酒粕にはレジスタントプロテインという消化されにくいタンパク質が含まれており、これが食物繊維のように働くことも整腸作用が期待できる理由です。
どういった成分が関係しているのかはっきりしていませんが、酒粕は冷えの改善にも役立つといわれています。
「粕漬け」の使い方
酒粕に肉、魚、野菜などを漬け込んだものを指して使用する言葉です。
漬け込むものがどういった材料を使っていても、酒粕に漬けていればこの名で呼ぶことができます。
「奈良漬け」とは?
シロウリ、キュウリ、ナスなどの野菜を酒粕に漬けた食べものです。
江戸時代、漢方医の糸屋宗仙がシロウリを酒粕に漬けたものをこの名で販売したとされています。
シロウリはウリ科キュウリ属の野菜です。
スーパーでよく見かける緑色のキュウリの仲間ですが、それよりも太く大きく、長さ20~30cmほど、太さは3~7cmほどあります。
皮は薄い緑色で、熟すと白くなってきます。
ごつごつとしたものは皮の表面にありません。
中は白色です。
使用する酒粕には、みりんや砂糖などを加えます。
これに漬け込んでいる間、何度か漬けかえます。
長期保存が可能です。
今のようにいつでも野菜を食べれるのではない時代には、野菜が採れない時期に重宝していたようです。
「奈良漬け」の使い方
シロウリやキュウリなどを酒粕に漬けたものを指して使用する言葉です。
作るときに何度か漬けかえて作るものをいいます。
「粕漬け」と「奈良漬け」の違い
酒粕に漬けているという点は同じですが、漬けるものや作り方が異なります。
前者は野菜だけでなく、肉や魚も漬けます。
後者はシロウリ、キュウリ、ナスなどを漬けたもので、伝統的なものは肉や魚は使用していません。
野菜を塩漬けにしたものを、何度か漬けかえながら作ったものをいいます。
まとめ
酒粕に漬けている点は同じですが、使用する材料と作り方に違いがあります。