この記事では、「配位結合」と「共有結合」の違いを分かりやすく説明していきます。
「配位結合」とは?
配位結合とは、はいいけつごうという読み方をすべき言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事でしょうが、原子やイオンの周囲の空間に、原子や分子、イオン等が配列するという意味の配位の文字に、結びつく事といった意味がある結合の文字を加える事で完成した言葉となっています。
以上の事から配位結合は、中心原子に対して、配位子がそれを取り囲む形式の結合を表すのです。
「配位結合」の言葉の使い方
配位結合は、結合を形成する一方の原子からだけ結合電子が分子軌道上に提供される化学結合を表現する言葉として使われています。
つまり結合方法を表す言葉であり、配位結合は電子を2対0で共有するというのが特徴とされる結合に対し、使用される言葉です。
「共有結合」とは?
共有結合は、きょうゆうけつごうという読み方をする言葉となっています。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事ですが、共同で所有する事といった意味を有する共通の漢字に、合わさって1つになるといった意味を持っている結合の漢字を付け足す事で成立した言葉です。
だからこそ共有結合は化学結合の1種で、2つの原子が1つ以上の電子を共有する事により生じる結合を示します。
「共有結合」の言葉の使い方
共有結合は、原子同士が1つ以上の電子対を共有する事によって生じる結合を表現する言葉として用いられているのです。
結合自体は非常に強固であり、大半の分子はこの共有結合により形成されています。
更に共有結合により形成される結晶が共有結合結晶であり、配位結合も共有結合の1つに数える事が可能です。
他にも1対1で電子を共有する仕組みの結合に対して、この共有結合という言葉が使用される点を覚えておきたい所と言えます。
「配位結合」と「共有結合」の違い
配位結合と共有結合の文字表記を並べて見比べてみると、最初に付く漢字が配位と共有という違いがある事に気付く事が可能です。
所がその後に続くのが共に結合という同じ漢字であり、どちらも化学結合を表す言葉となっています。
ただし最初の2文字の漢字の違いにより、表現する意味合いには違いが生まれているのです。
まず配位結合は、配合を形成する2つの原子の片方からだけ結合電子が分子軌道上に提供される結合を表します。
一方の共有結合は、2つの原子が1つ以上の電子を提供し合う事で行われる結合を示すのです。
まとめ
2つの言葉は、共に結合という漢字が使用されている事からでも分かる様に、互いに化学結合に関連した意味を所有する言葉となっています。
とはいえその前に付けられる漢字には明らかな違いがあるため、示す意味には相違点を見付ける事が可能です。
ちなみに配位結合は、結合する2つの原子において、1つの原子からのみ結合電子が提供されている状態の化学結合に対して使われる言葉となっています。
対する共有結合は、2つの原子が違いに1つ以上の電子を共有し合う事により生まれる、化学結合を示す際に用いられる言葉です。