この記事では、「年周運動」と「日周運動」の違いを分かりやすく説明していきます。
「年周運動」とは?
「年周運動」とは天体が一年を通して少しずつ天球での位置を変え、一年で天球を一周して元の場所へと戻る動きを指します。
特に太陽の動きのことを指して使われることも多いです。
実際には動いているのは太陽ではなく地球であり、地球の位置が変わることで太陽の周囲にある星の位置が変わって見えるのですが、地上から見ると、太陽の位置は変わらず、周囲の星々の位置が変わります。
その星々の配置を球に見立てた物が天球です。
その天球から見れば、太陽が天球内を西から東へと毎日移動している形になります。
そして毎日移動する太陽は1年でようやく天球内を一周して元の場所に戻りますが、この天球内を太陽が一周する動きが「年周運動」です。
「日周運動」とは?
「日周運動」とは太陽と月が毎日地球の周りを周回している動きを指す言葉です。
日照時間は季節により違いますが、基本的に太陽と月はどちらも一日の内に東から登って西に沈んでいきます。
太陽の位置が変わるのは地球が自転しているからであり実物の太陽は動いていませんが、この地球から見た太陽と月が一日スパンで移動する動きが「日周運動」です。
この「日周運動」が一周するまでの時間が、地球上のあらゆる地域で一日という時間の区切りの基準となっています。
ただし「日周運動」では太陽を意味する漢字である日という文字が使われていますが、これは太陽そのものではなく、一日という時間を意味して使われている文字です。
そのため「日周運動」の間隔は一日スパンですが、太陽以外の星の動きについても「日周運動」と言われます。
「年周運動」と「日周運動」の違い
「年周運動」と「日周運動」の違いを、分かりやすく解説します。
一年を通して太陽の位置が変わり一周する動きが「年周運動」で、一日を通して太陽などの天体の位置が変わり一周する動きが「日周運動」です。
「年周運動」は基本的に太陽がどう動くかですが、「日周運動」は太陽は勿論、太陽以外の星の動きについても指します。
また「年周運動」は天球から見て太陽がどの位置にあるか、どちらに動いているかというものですが、「日周運動」は地球から見て星がどう動いているかというものです。
他にも「年周運動」では太陽が西から東へと動いていきますが、「日周運動」ではどの星も東から西へ向かって動いていくというのも両者の違いと言えます。
まとめ
「年周運動」も「日周運動」も両方太陽の動きを指して使われることもありますが、「年周運動」は太陽と周囲の天球の動きについての言葉なのに対し、「日周運動」は地球から見た星の動きという違いがあります。
また「年周運動」は星の位置を気に留めなければ意識が向かないという人も多いですが、「日周運動」は一日という時間単位の基準となっているので、言葉としては知らなくても身近に感じやすい動きです。