この記事では、「運河」と「河川」と「水路」の違いを分かりやすく説明していきます。
「運河」とは?
「運河」【うんが】とは、船舶の往来やかんがいのために建築された大規模な水の通路のことです。
「運河」という用語は、運ぶことを表す「運」と大規模な川を意味する「河」で構成されるように、主に船舶が物資の運搬や貿易をするため存在する大きな水の通路を意味しています。
「運河」は、陸地を掘って複数の海や内陸部を流れる「河川」をつないだ人工的な水の通路です。
船舶が往来する目的のほか、観光、かんがい、給水や排水などさまざまな役割で使われています。
代表的なものには中米の「パナマ運河」やエジプトの「スエズ運河」があります。
「河川」とは?
「河川」【かせん】とは、自然現象によって陸地に形成された水の流れる地形を指します。
一般に「川」「河」【かわ】とも呼ばれます。
「河川」は、浸食された地表のくぼみを雨水や地下からの湧き水が流れる細長い地形で、標高が高い所の谷にある水源から標高の低い海の河口部に向かって流れるのが特徴です。
通常は、1本の「河川」が流れているのではなく、太い「本流」から細い「派川」が分岐していたり、細い「支流」が「本流」に合流したり、樹のように枝分かれした流域で構成されています。
日本では「河川法」に基づいて一級、二級、準用などに分類され、それぞれ国土交通省や都道府県などの管轄が管理をおこなっています。
「水路」とは
「水路」【すいろ】は、広義には川、池、湖といった水域を意味しますが、主に人工的に構築された水の流れる通路を指します。
「水路」は読んで字のごとく「水」の流れる「路」(みち)です。
「河川」のように自然現象によって発生したくぼみを水が循環するのではなく、船舶が往来するため、人が生活を営むために必要な水を流したり貯めたりするために作られた構造物を指します。
「水路」には、水道、かんがい、工業などに必要な水を送るための「用水路」や、「河川」の水があふれるのを防ぐために分岐して作られる「放水路」、船舶が通るための「運河」などがあります。
「運河」と「河川」と「水路」の違い
「運河」「河川」「水路」は、水が流れている通路や地形を表す用語です。
「水路」は人工的に作られた水の通路です。
「水路」は生活に必要な水を運搬する目的で整備されます。
そのうち、船舶の往来やかんがいなどの目的で作られた大規模な水路は「運河」と呼ばれます。
海と内陸を流れる川をつないだものが多く「パナマ運河」「スエズ運河」などが有名です。
「河川」は、自然現象によって形成された水の流れる地形のことで、人工的に作られていないところが「運河」や「水路」と異なります。
まとめ
「運河」「河川」「水路」はいずれも水の流れる通路や地形を表します。
「運河」がどのようなものか想像できても、「河川」と「水路」は違いがわかりにくく意味を混同しがちです。
それぞれの定義を確認し、互いの違いを再認識しておきましょう。