「無能」と「不能」の違いとは?分かりやすく解釈

「無能」と「不能」の違い専門用語・業界用語

意味がとても良く似ていて違いがわかりにく言葉に「無能」「不能」があります。

このふたつの言葉は具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「無能」「不能」の違いについて解説します。

「無能」とは?

「無能」とは、「能力がないこと」を意味する言葉です。


「無能」の使い方

「無能」が表しているのは「能力が水準に達していないこと」です。

仕事をするのに一定の能力が必要なのに求める水準に達しておらず仕事を成し遂げられない人に対して「無能」という表現を使います。

能力の高低や優劣をあらわす表現であり「役立たず」と同じような意味合いです。

「無能」の対義語は「有能」なので「能力があり役に立つ人」を意味する有能の反対が「無能」にあたります。

「無能」が意味しているのは「能力の足りなさ」です。

能力が足りておらず物事をこなせない、まかせられないのが「無能」であり能力が足りないせいで役割や職責など責任を果たせない人を侮蔑するときに用いられる表現です。


「不能」とは?

「不能」とは、「できないこと」を意味する言葉です。

「不能」の使い方

「不能」「不可能」と同じ意味です。

どうやってもできない、やれない状態が「不能」であり「動けない」「立ち上がれない」など、どうがんばっても無理な様子を表します。

「不能」は能力の優劣や適正ではない根本的な原因により不可能であることを指す言葉です。

解消するのに根本原因を取り除く必要があるものに対して用いられる表現でありちょっとやそっとのことではできない状態の改善が望めない様子を表します。

「無能」と「不能」の違い

「無能」「不能」の違いは「可能性」です。

「無能」は能力が劣っていたり足りなかったりするせいでできないことを表しています。

逆に言うと勉強して能力が向上したり鍛えて実力が身についたりすればできるようになる可能性が残されています。

「不能」はできないことを意味する言葉であり一般的には可能性がないものに対して用いられる表現です。

任せられた仕事に対して能力が足りずできないのが「無能」、物理的にできなかったり時間がかったりなどどうがんばっても乗り越えられない理由でできないのが「不能」という違いで区別されます。

1時間あればいけるはずの場所なのに方向音痴のせいで2時間かかかってしまうのは「無能」、1時間かかる場所に10分で移動しろという要求は「不能」です。

「無能」の例文

・『前任者は有能でスムーズに進んだが後任の大臣が無能なせいでワクチン接種は遅れに遅れている』
・『総裁選で約束したことをひとつも実行できない無能な総理大臣に失望させられた』

「不能」の例文

・『機体はバラバラに大破してしまい修復不能である』
・『事故により下半身が思うように動かなくなり日常生活には支障はないがサッカー選手としては再起不能だ』

まとめ

「無能」「不能」はとてもよく似た意味合いで混同されがちですが本来の意味はまったく異なる言葉でありきちんと使い分ける必要があります。

意味の違いを正しく理解してふさわしい言葉選びをしてください。