好ましくない事態を指す言葉として「不祥事」と「不正」があります。
ニュースなどでもよく耳にするこの言葉、具体的にはどう違うのでしょうか。
今回は、「不祥事」と「不正」の違いについて解説します。
「不祥事」とは?
「不祥事」とは、「信頼を損なうような出来事」を意味する言葉です。
「不祥事」の使い方
不注意による事故や怠慢が原因のミス、女性問題や金銭トラブルなど「表沙汰にしたくないやっかいな出来事」を「不祥事」といいます。
「不祥事」の「祥」には「めでたい」という意味があります。
めでたく歓迎できることが「祥事」であり、歓迎できない招かれざる事態が「不祥事」です。
一般的には企業や地位の高い人など社会的信用のある存在に対して用いられる表現で「社会にバレたら信用が失われてしまう出来事」を「不祥事」と表現します。
良くない事件ややっかいな事柄全般を指す言葉であり必ずしも自分の落ち度だけで起きるものではなく巻き込まれたり絡まれたりして「不祥事」になるケースもあります。
どのような出来事を「不祥事」とするかはその都度異なります。
基本的には社会的によくないとされていること、知られるとまずいこと全般を「不祥事」といいますが個人の都合や理由により別の人がやった場合は取り立てて問題のない行為が「不祥事」になることもあります。
例えば企業とスポンサー契約を結んでいる芸能人が公の場でスポンサー企業以外の製品を使う行為はスポンサー契約に関わる問題行動にあたるため他の人には問題のない好意であってもその人にとっては「不祥事」です。
「不正」とは?
「不正」とは、「正当ではないこと」を意味する言葉です。
「不正」の使い方
ウソやごまかしなど「正しくないこと」を「不正」といいます。
一般的には法律やルールなど客観的に定められた規則と照らしあわせて違反しているものを「不正」と表現しますがルールの裏を書いたり法律の隙間を狙ったりといった厳密に言えば違反ではないものの正しいとはいえない行為も「不正」に含まれます。
厳密には「不正」が指すのは「正しくないこと」のみであり、そのような「不正」を実行する場合は「不正行為」と表現して区別します。
「不祥事」と「不正」の違い
「不祥事」と「不正」の違いは「悪意」です。
「不祥事」は表沙汰にしたくない出来事全般を指す言葉で不注意により発生したミスや偶発的な事故など悪意がない行為により発生したものも含まれます。
「不正」とは正しくないことや正しくないことを指す言葉であり行うものの心のなかには悪意が含まれているものに対して用いる表現です。
人に知られるとまずいのが「不祥事」、悪意に基づき行われる悪事が「不正」という違いで区別されます。
「不正」は人に知られるとまずい「不祥事」ですが、「不祥事」の中には事故など「不正」出ないものも含まれます。
まとめ
企業トラブルに関するニュースなどでは似たようなシチュエーションで使われることから混同されやすい「不祥事」と「不正」ですが本来の意味はまったく異なります。
それぞれの言葉が指す内容を正しく理解しておきましょう。