「交響曲」と「協奏曲」はどちらもクラシック音楽における演奏形態の一部ですが、意味が異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「交響曲」と「協奏曲」の違いを分かりやすく説明していきます。
「交響曲」とは?
「交響曲」は「こうきょうきょく」と読む音楽用語で、「弦楽器や管楽器、打楽器などで編成するオーケストラによって演奏される規模の大きな楽曲」を示し、例外はありますが通常は「ソナタ形式」を含む4楽章から成りたちます。
カタカナで「シンフォニー」と呼ばれることもあります。
「協奏曲」とは?
「協奏曲」は「きょうそうきょく」と読む音楽用語で、「独奏楽器とオーケストラによって演奏される楽曲」のことを指し、一般的にはソナタ形式を含む3楽章から成りたちます。
独奏で演奏される楽器にはピアノ、ヴァイオリン、チェロ、フルート、ホルンなどがあり、カタカナで「コンチェルト」と呼ばれる場合もあります。
「交響曲」と「協奏曲」の違い
「交響曲」と「協奏曲」はどちらもクラシック音楽に関連する言葉ですが、演奏形態や楽曲の構成などに違いがあります。
「交響曲」は「オーケストラで演奏される規模の大きな楽曲」を意味し、一部例外はあるものの一般的には「ソナタ形式を含む4楽章から構成」されています。
楽曲全体に調和性と統一性が感じられるのが特徴で、通常は「交響曲~番」というタイトルが付けられています。
「交響曲」における有名な作品としては、「運命」でも知られるベートーベンの「交響曲第5番」や、「第九」として親しまれている同氏の「交響曲9番」、「新世界より」でも有名なドヴォルザークの「交響曲第9番」などが挙げられます。
そのほか、モーツァルトやシューベルト、チャイコフスキーなども「交響曲」を作曲しています。
なお、「交響曲」は楽曲ごとにタイトルが付けられるケースが多くみられますが、ベルリオーズの「幻想交響曲」のように楽章ごとにタイトルが付けられる場合もあります。
一方、「協奏曲」は「独奏楽器とオーケストラによって演奏される楽曲」を意味し、通常は「ソナタ形式を含む3楽章から構成」されており、独奏楽器が単独で演奏する「カデンツァ」というパートが組み込まれているのが特徴です。
独奏楽器とオーケストラがコミュニケーションしているような雰囲気が感じられ、タイトルには「ピアノ協奏曲」や「ヴァイオリン協奏曲」のように独奏楽器名が冠されています。
「協奏曲」における有名な作品としては、「四季」とも呼ばれるヴィヴァルディの「ヴァイオリン協奏曲」、のちに「皇帝」と名付けられたベートーベンの「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調」、3楽章ではなく4楽章から成るエルガーの「チェロ協奏曲」などが挙げられます。
また、「協奏曲」といえばモーツァルトも有名で、特に「ピアノ協奏曲」を得意とし生涯で27にも及ぶピアノ協奏曲を作曲しました。
まとめ
「交響曲」と「協奏曲」はどちらもオーケストラを含んだ演奏形態を指しますが、「独奏楽器があるかどうか」が判別の鍵になります。
ぜひ参考にして両者の正しい意味や特徴、名曲などを知り、音楽に関する知識をさらに深めてください。