この記事では、「追及」と「究明」の違いを分かりやすく説明していきます。
「追及」とは?
「追及」には2つの意味があります。
ひとつは、とことん追い詰めて、他の人の責任や欠点などを明らかにすることです。
悪い点の原因などを責め立てるといった意味合いになります。
たとえば、他人の車のワイパーを折った人がいたとします。
他人のものを壊すのは悪いことです。
車の持ち主は警察に訴えて、ワイパーを折った人は逮捕されました。
この人は、他にも悪いことをしているような気がします。
そこで、警察は他にも罪を犯していないか、とことん調べて明らかにしようとしました。
真実を求めるために厳しい態度を取ります。
このことは「余罪を追及する」などといいます。
もう一つの意味は、先に出たものに後から出たものが行きつくことです。
たとえば、A部隊が先に目的地に向かって出発したとします。
その後にB部隊が出発をしました。
出発した時刻に差があるため、A部隊とB部隊の距離は相手います。
B部隊は頑張って前進をし、A部隊と同じ位置に到達することができました。
こういった、後のものが先のものに行きつくことを意味します。
「追及」の使い方
とことん追い詰めて、他人の責任などを問いただすという意味で使用することが多いです。
悪いことに使われることが多くあります。
「究明」とは?
道理や真理をひたすら極めて明らかにすることです。
道理とは筋が通っていること、真理とはどんな時でも変わることがない正しい道筋のことです。
たとえば、ヘリコプターが飛び立った後に墜落してしまったとします。
なぜ墜落したのかわかりません。
パイロットは健康的なので、体調不良による操作のミスがあったとは思えません。
墜落した原因がわからず、明らかになっていない事柄があります。
こういったことを明らかにすることを「事件の究明」などといいます。
「究明」の使い方
道理や真理などをひたすらに極めて明らかにするという意味で使用をします。
使用する事柄は道理や真理などに対してで、責任については使用しません。
「追及」と「究明」の違い
明らかにするといった意味合いが似ていますが、それぞれ意味は異なります。
前者は、他の人について、悪い点の原因や責任などを明らかにすることです。
納得がいくまで質問をしたり、本当のことをいわせようとしたりすることをいいます。
後者は、道理や真理などを明らかにすることです。
問いただすといった意味合いはありません。
「追及」の例文
・『本当のことがわかるまで追求する』
・『はっきりするまで追求する』
・『追及をやめない』
・『厳しい態度で追及する』
「究明」の例文
・『真相を究明する』
・『原因を究明する』
・『事実を究明する』
・『究明の妨げになる』
まとめ
明らかにするといった意味を持っている点が似ていますが、一方は責任などを問いただす、もう一方は真理などを明らかにするという意味で、2つの言葉が意味するものは異なります。