この記事では、「儒教」と「論語」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「儒教」とは?
「儒教」は「じゅきょう」と読みます。
「儒教」は「孔子が唱えた道徳、教理を体系化したもの。
その学問内容を儒学と言い、ある国の国家教学としての模範生・体系性を強調した呼び名」という意味があります。
このように、「儒教」は、「儒学(じゅがく)」が、国家教学になったときの呼び名となります。
「儒学」は、古代中国の儒家思想を基本にした学問で、孔子の唱えた倫理政治規範を体系化したもので、四書五経の経典を備え、長く中国の学問の中心となったものです。
「儒学」の世界では、自己の論理的修養による人格育成から、最高道徳である「仁」への到達を目指します。
ちなみに「仁(じん)」は、「他人に対する親愛の情や優しさ」などを意味する言葉です。
「儒学」が日本に伝来したのは、4世紀か5世紀ころのことで、「論語」が日本に入ってきたことが始まりと考えられています。
後の日本文化に大きな影響を与えました。
「論語」とは?
「論語」は「ろんご」と読みます。
「論語」は「中国の思想書で、20編あります。
孔子が亡くなった後で、門人による孔子の言行記録を、儒家の一派が編集したもの」という意味があります。
「儒学」には「四書五経」という経典がありますが、四書の中の一つが「論語」になります。
「孔子(こうし)」は、紀元前552年に現在の山東省に生まれた中国の人で、春秋時代の学者であり思想家です。
早くから優秀な人として知られた人で、役人として働きましたが、後に諸国を遍歴し、「仁」について説いて回りました。
「儒教」の祖として尊敬されています。
「論語」には、処世の道理や、国家、社会的倫理に関する教訓、政治論や門人から見た孔子についてなど、多方面にわたった内容となっています。
日本には4世紀か5世紀ころ、応神天皇の時代に、朝鮮の百済を経由して伝来したと考えられています。
「儒教」と「論語」の違い
「儒教」と「論語」の違いを、分かりやすく解説します。
「儒教」は「孔子が唱えた道徳、教理を体系化したもの。
その学問内容を儒学と言い、ある国の国家教学としての模範生・体系性を強調した呼び名」という意味があります。
一方で、「論語」は「中国の思想書で、20編あります。
孔子が亡くなった後で、門人による孔子の言行記録を、儒家の一派が編集したもの」という意味があります。
このように、「儒教」は孔子を始祖とする「儒学」が、国家教学になったときの呼び名なのに対して、「論語」は、「儒学」の経典である、四書五経の一つという違いがあります。
端的に言えば「儒教」は「教え」であり、「論語」は「経典」という違いがあります。
まとめ
「儒教」と「論語」の違いについて見てきました。
2つの言葉の意味の違いを知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。