この記事では、「アクアリウム」と「ビオトープ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「アクアリウム」とは?
「アクアリウム」とは魚や甲殻類などの水生生物を飼育する設備を指します。
英語の意味としては水族館を指しますが、水族館ほどの大規模でなくても、個人の趣味としてガラス張りの水槽に、魚やエビなどの水生生物を飼育できる環境を整えたものも「アクアリウム」です。
水槽に水を張り、酸素供給器を入れ、水生生物が落ち着くための水草や木を入れたりと、レイアウトに拘ることも個人で楽しむ「アクアリウム」の醍醐味と言われることも少なからずあります。
しかし飼育できる最低限の設備しか整えない人もいますし、そうした水草等の一切ないものでも「アクアリウム」です。
所謂金魚鉢もそうですし、観賞用を始めとした目的で、魚などを飼育するために整えられた設備を道具を含めてまとめた呼称が「アクアリウム」と言えます。
「ビオトープ」とは?
「ビオトープ」とは環境保護活動の一つで、庭先に池などの水場や、水辺に生える植物を植えることで擬似的な自然環境を作り出し、自然の生物を呼び込むというものです。
本来の「ビオトープ」では、生物は自然に訪れるのを待つものであり、水中に魚を放流するなど自分から生物を住み着かせることはしませんが、現在の日本では、そうして自分で選んだ生物を住み着かせるものも「ビオトープ」として扱われます。
日本庭園に作られている池や川も、現代日本が指している「ビオトープ」の一つと言えるでしょう。
水生生物を飼育するための環境とも言えますが、そうして見た場合、水槽などを使わずに、庭など土地に直接飼育するための環境を作ることが「ビオトープ」と言えます。
「アクアリウム」と「ビオトープ」の違い
「アクアリウム」と「ビオトープ」の違いを、分かりやすく解説します。
水槽などに水生生物が飼育できる環境を整えたものが「アクアリウム」で、庭に池など自然な環境を再現したものが「ビオトープ」です。
「アクアリウム」は元から水生生物を飼育するための設備として生まれたものですが、「ビオトープ」は元々自然保護のために生まれた概念で、そこから水生生物飼育目的でも行われるようになったという違いがあります。
そのため元々は、「アクアリウム」は飼育している魚などの水生生物を鑑賞するもの、「ビオトープ」は自然に育つ植物やよってきた野生動物を保護し鑑賞するものです。
水生生物の飼育としては、「アクアリウム」は水槽などの入れ物を屋内に用意してそこで飼育する所謂室内飼いであり、「ビオトープ」は庭先など土地に直接手を加えて飼育できる環境を作る外飼いの形になります。
まとめ
魚などを飼育するための環境としては、「アクアリウム」は水槽などの容器に環境を整えるもので、「ビオトープ」は庭など土地に直接環境を整えるものという違いがあります。
ただし「アクアリウム」は元から飼育鑑賞という趣味のためのものですが、「ビオトープ」は趣味ではなく自然環境を保護するために行われていた活動であり、環境保護活動をしている人には、飼育のための「ビオトープ」に反感を持っている人も居る点は覚えておくべきでしょう。