この記事では、「十勝石」と「打製石器」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「十勝石」とは?
「十勝石」は「とかちいし」と読みます。
「十勝石」は、「黒曜石のことで、北海道の十勝地方で産出したもの」という意味があります。
「黒曜石(こくようせき)」は、古くから節気の材料として使われていて、広域に流通していました。
「黒曜石」は火山岩の一種で、まあ加工した宝石の呼び名でもあります。
外見は黒く、ガラスとよく似た性質を持ち、割ると非常に鋭い破断面が生じるため、ナイフや鏃(やじり)など、石器として使用されました。
例えば「黒曜石」を割って、ナイフを作った場合は、ステーキ肉でも、一刀両断にすることができます。
日本においては、「黒曜石」の鏃などが、旧石器時代から使われていて、火山活動が活発な日本国内には、数多くの「黒曜石」の産地があります。
長野県霧ヶ峰、伊豆諸島神津島や、栃木県の剣が峰など様々な産地の中の一つに、北海道十勝があります。
現在でも、十勝地方で産出される黒曜石は「十勝石」と呼ばれています。
「打製石器」とは?
「打製石器」は「だせいせっき」と読みます。
「打製石器」は「石を打ち砕いて作られた石器で、磨きを伴わないこと」という意味があります。
日本においては、旧石器時代に使われていた石器のことを指します。
「打製石器」の材料には、「黒曜石」、「讃岐岩」、「貢岩」などがあります。
「打製石器」の作り方として、石のハンマーを石材に打ち付けて、不要な部分を剥離し、形状を整える方法があります。
また、ハンマーなどの打撃具を直接石材に打ち付けず、鹿の角などに打ち付けて、間接的に不要な部分を剥離するという方法もあったと考えられています。
このようにして作られた「打製石器」には、石器の斧や、鋭利な石器によるブレイドや、弓矢や槍の先端に付ける鏃などがありました。
「十勝石」と「打製石器」の違い
「十勝石」と「打製石器」の違いを、分かりやすく解説します。
「十勝石」は、「黒曜石のことで、北海道の十勝地方で産出したもの」という意味があります。
一方で「打製石器」は「石を打ち砕いて作られた石器で、磨きを伴わないこと」という意味があります。
どちらも、旧石器時代に関係する言葉という共通点があります。
「十勝石」は、黒曜石のことを意味し、黒曜石は、打製石器の材料として、重要な石材だったと言われています。
このように、「十勝石」は、「打製石器」の材料である、黒曜石を意味するのに対して、「打製石器」は黒曜石などの石材を使って、作った道具のことという意味の違いがあります。
まとめ
「十勝石」と「打製石器」の違いについて見てきました。
2つの言葉の意味の違いを知ることで、旧石器時代に何が行われていたのか、理解しやすくなるかもしれません。