この記事では、「重農主義」と「自由放任主義」の違いを分かりやすく説明していきます。
「重農主義」とは?
重農主義は、じゅうのうしゅぎという読み方をすべき言葉です。
文字で書かれたこの言葉を見れば理解可能な事でしょうが、農業を重視するという意味の重農の漢字に、持ち続けている考えや主張といった意味の主義の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ重農主義は、18世紀後半に提唱された思想で、国家の富の唯一の源泉は農業である、といった考え方を表すのです。
「重農主義」の言葉の使い方
重農主義は、フランスのフランソワ・ケネー等の経済学者により主張された経済理論や思想を表現する言葉となっています。
貿易等を重視して国富を増やそうとする重商主義に反する形で提唱され、国を豊かにしたいなら農業こそ重視すべきだ、という主張や考えに対して使われた言葉です。
「自由放任主義」とは?
自由放任主義は、じゆうほうにんしゅぎという読み方をする言葉となっています。
文字で記されたこの言葉を目にすれば理解可能な事でしょうが、各自の自由に任せて干渉しないという意味を持つ自由放任の文字に、思想や学説等における一定の立場という意味を有する主義の文字を加える事で完成した言葉です。
以上の事から自由放任主義は、18世紀のフランスで提唱された、経済に関しては国家による統制や干渉を排し、個人の自由な利益追求活動を容認すべきであるという経済思想を示します。
「自由放任主義」の言葉の使い方
自由放任主義は、フランスの重農主義者が提唱した後、イギリスのアダム・スミスにより体系化された経済政策上の主義に用いられる言葉です。
フランス語で、なすに任せよ、という意味のレッセフェールが語源であり、これが日本語に訳される事で自由放任主義という言葉になったのです。
「重農主義」と「自由放任主義」の違い
重農主義と自由放任主義の文字を見比べれば、直ぐに重農と自由放任という漢字の違いに気付く事が出来ます。
所がその後に続くのがどちらも同じ主義の漢字であり、共に経済政策上の主張といった意味を持つ言葉同士である点がややこしいです。
とはいえ最初に漢字の違いがある事で、表す意味合いには違いがあります。
まず重農主義は、18世紀後半のフランスで主張された国富の源泉は農業生産だけから生まれるといった思想を表す言葉です。
一方の自由放任主義は18世紀頃に提唱された、国は個人の経済活動に干渉せずに市場の自由な働きに任せるべきである、という経済思想を示します。
まとめ
2つの言葉は同じ、主義という漢字が使用されており、共に経済思想に関連した意味を持つ言葉です。
ですが明確な漢字の違いもある事から、表す意味には相違点を見出す事が出来ます。
ちなみに重農主義は、フランスのケネー等により提唱された経済思想で、富の唯一の源泉は農業であるという考え方に使われる言葉です。
対する自由放任主義は、最初に重農主義者のスローガンとして主張された経済思想で、経済は国家による統制を排除しつつ、個人の自由な利益追求を認めるべきという考え方に用いるべき言葉となっています。