この記事では、「サヘル」と「サバナ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「サヘル」とは?
「サヘル」とは、「アフリカ大陸の北半分を占めるサハラ砂漠の南端に当たる地域」を指している地理用語です。
「サヘル」もサハラ砂漠と接しているために乾燥はしていますが、「サハラ」と比べれば少し湿潤な「ステップ気候」に属する地域になります。
「サハラ」は降水量がほとんどないので動植物が極めて少ない「砂漠気候」です。
それに対して、「サヘル」の「ステップ気候」では多少の降水量があるので、「サバナ」の草原が一部に広がりライオンなどの野生動物が棲息しています。
「サヘル」という言葉自体は、アラビア語で「岸辺」を意味しています。
特に「サヘル」は、サハラ砂漠の南端に接している西アフリカ諸国を示すことが多くなっています。
「サバナ」とは?
「サバナ」とは、「サバナ気候の地帯に見られる丈の長い草からなる草原」を意味しています。
「サバナ気候」とは、「サバナ気候(熱帯原野気候)」とは、「まばらな樹林帯と草原が見られる、雨季と乾季が分かりやすく区別された熱帯気候の一種」です。
「サバナ気候」は夏は「熱帯収束帯」で雨季、冬は「亜熱帯高気圧」で乾季になり、降水量がもっとも少ない月は60mm以下になります。
アフリカのタンザニアやコンゴ周辺がサバナ気候に当たり、「サバナ」と呼ばれる背の高いイネ科の熱帯草原が広がっています。
「サバナ」の草原に適応した独自の生態系が作られていますが、乾季の乾燥で草原が燃える野火が発生することもあります。
「サヘル」と「サバナ」の違い
「サヘル」と「サバナ」の違いを、分かりやすく解説します。
「サヘル」とは、「アフリカ大陸にあるサハラ砂漠の南端部および西アフリカ諸国の地域」を意味しています。
「サバナ」というのは、「サヘルも含めたサバナ気候で生い茂っている、丈の長いイネ科の植物の草原」を意味している違いがあります。
「サヘル」は「アフリカのサハラ砂漠の南の周縁に接している地域」のことです。
「サバナ」はサヘルのような地域ではなく、「アフリカや南アメリカ、インドなどのサバナ気候に適応して生えている熱帯原野草原」を示している点が異なっているのです。
「サヘル」の例文
・『アフリカは不毛な砂漠地帯が広がっているイメージを持たれがちですが、サヘルの一部には豊かな緑があります』
・『サヘルはアフリカ大陸では植生・生態系が豊かで降雨に頼った農業もできるため、国家・部族の紛争が起こりやすい地域でもあります』
「サバナ」の例文
・『サバナ気候はアフリカ大陸に固有の気候帯ではなく、インドや南アメリカ大陸の一部の地域にもサバナが見られます』
・『サバナは熱帯気候の雨季の恩恵を受けて育つ丈の高い草原であり、サバナにはライオンやシマウマなどの動物も棲息しています』
まとめ
「サヘル」と「サバナ」の違いについて説明しましたがいかがでしたか?「サヘル」と「サバナ」の違いを詳しく調べたい場合は、この記事の内容をチェックしてみてください。