「狂言」と「能」の違いとは?分かりやすく解釈

「狂言」と「能」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「狂言」「能」の違いを分かりやすく説明していきます。

「狂言」とは?

「狂言」とは日本の古典芸能の一つで滑稽さで観客を楽しませる能楽の一種です。

日常生活の失敗や人間らしい弱みを演じて見せることで観客を笑わせるコメディタッチの演劇になります。

能楽版の漫才のようなものとも言えるでしょう。

猿楽という更に昔からあった伝統芸能から発展して生まれた芸であり、能楽らしい独特なイントネーションと伸ばし方をした語り方もしますが普通に喋る役もいます。

演者の所作や台詞回しなどを芸術的な美しさで見て楽しむものというよりは、単純に面白おかしさや笑いを楽しむための芸です。


「能」とは?

「能」とは能楽の中でもものまねや人を笑わせる滑稽芸ではないものでストーリーがあるものを指します。

踊りなどの所作にあわせて、音楽そのものであったりミュージカルのように音楽に合わせて歌うように喋ることで表現しストーリーを展開していくものが「能」です。

また能のストーリーにおける主人公はシテ方と呼ばれますが、シテ方は能面と呼ばれるお面を付けてそのキャラクターを演じます。


「狂言」と「能」の違い

「狂言」「能」の違いを、分かりやすく解説します。

能楽の中でも人を笑わせるコメディにあたる演劇が「狂言」で、音楽に合わせてストーリーを楽しませる演劇が「能」です。

「狂言」は普通にセリフを喋って会話しますが「能」はセリフを喋るのではなく歌うように喋ります。

また「狂言」は日常生活の失敗や有名な誰か何かのモノマネなど身近な演技ですが、「能」はそのために創作された物語や昔の有名な物語など非日常的な物語を演じることがほとんどです。

まとめ

大まかに説明すると人を笑わせる形で楽しませるのが「狂言」で、ストーリーを楽しませるのが「能」と言えるでしょう。

どちらも同じ猿楽という古典芸能から生まれた芸であり同じ能舞台で演じるものですが、演じ方にも普通にセリフを喋るのか歌うように語るのかの違いがあります。