この記事では、「義和団事件」と「北清事変」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「義和団事件」とは?
「義和団事件」は「ぎわだんじけん」と読みます。
「義和団事件」は「日清戦争後に、義和団が生活に苦しむ農民を集めて起こした排外運動のこと」という意味があります。
「義和団」は、中国身長末期に、山東省の農民の間に起こった秘密結社のことです。
「白蓮教(びゃくれんきょう)」の一派で、剣術や棒術などの武術に習熟していたと言います。
ちなみに「白蓮教」とは、中国の民衆宗教の一派で、元の時代に邪教として禁圧されたため、秘密結社かしたものです。
中国各地で、外国人やキリスト教会を襲い、1900年には、北京の列国大使館区域を包囲・攻撃しました。
義和団のスローガンが「扶清滅洋(ふしんめつよう)」という、清国を助け、欧米国を倒すという意味であったことから、清国内の大官に同情するものが多く、徹底した弾圧をおこなわなかったことが、義和団の暴走につながったとされています。
もともと列強に対して悪感情を持っていた清国は、この流れに乗り、列強に宣戦布告をすることになります。
そのため、日本を含む、列国8か国の連合軍が出動し鎮圧します。
中国側が講和を求める「北京議定書(ぺきんぎていしょ)」によって、中国の植民地化がさらに進むことになりました。
「北清事変」とは?
「北清事変」は「ほくしんじへん」と読みます。
「北清事変」は「中国の義和団の乱に対する、列国の出兵事件のこと」という意味があります。
「義和団事件」と同義語とされ、同じ意味を持つ言葉となります。
1900年に起こった義和団の乱を発端に、清国・義和団連合対、日本を含む列強8か国の戦いの周辺を、「北清事変」と呼びます。
「義和団事件」と「北清事変」の違い
「義和団事件」と「北清事変」の違いを、分かりやすく解説します。
「義和団事件」は「日清戦争後に、義和団が生活に苦しむ農民を集めて起こした排外運動のこと」という意味があります。
一方で「北清事変」は「中国の義和団の乱に対する、列国の出兵事件のこと」という意味があります。
どちらの言葉も、1900年前後に起こった、義和団の乱から始まる、清国と列強との戦いに関する言葉という共通点があります。
「義和団事件」と「北清事変」は呼び名が違う同義語だと覚えておきましょう。
ただし、「義和団事件」が、義和団が始めた排斥運動を指し、「北清事変」が義和団と清国対、列強による戦いを指す場合もあります。
まとめ
「義和団事件」と「北清事変」の違いについて見てきました。
2つの言葉には、共通の意味がありました。
「義和団事件」、「北清事変」について知ることで、この当時の清国と、列強、日本との関係が見えてくるのではないでしょうか。