この記事では、「学徒出陣」と「国家総動員法」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「学徒出陣」とは?
「学徒出陣」は「がくとしゅつじん」と読みます。
「学徒出陣」は、「第二次世界大戦末期の昭和18年以降に、兵力不足を補うため、学生を入隊・出征させたこと」という意味があります。
それまでは、戦時中とはいえ、26歳までの大学生には、徴兵猶予が与えられていました。
しかし「学徒出陣」によって、文科系学生については徴兵猶予を停止して、20歳以上の学生を入隊、出生させています。
「日中戦争」から「太平洋戦争」へとなだれこみ、戦線が広大になっていくとともに、次第に選挙区が悪化して、戦死者が増えていくことで、兵力不足に陥ったことから、学生も徴兵されることになりました。
一方で理科系学生に関しては、兵器開発などが戦争を続けるために不可欠だと判断され、陸軍や海軍の研究所などに、勤労動員されていました。
「国家総動員法」とは?
「国家総動員法」は「こっかそうどういんほう」と読みます。
「国家総動員法」は、「日中戦争に際して、国家の総力を発揮させるために、人的、物的資源を統制、運用する権限を政府に与えた法律のこと」という意味があります。
昭和13年に制定され、20年に廃止されています。
「日中戦争(にっちゅうせんそう)」は、昭和12年の7月に「盧溝橋事件(ろこうきょうじけん)」をきっかけにして起こった、日本と中国の間の戦争を意味します。
この「日中戦争」が拡大し、太平洋戦争へと発展していきます。
ちなみに、「太平洋戦争」は、アジア、太平洋地域で行われた、日本対イギリス、オランダ、中国などの連合軍との戦争を指します。
「国家総動員法」によって、仕事についても、食べ物についても、お金についても、マスコミ関連についても、すべて戦争に勝つために、国が管理するようになりました。
「学徒出陣」と「国家総動員法」の違い
「学徒出陣」と「国家総動員法」の違いを、分かりやすく解説します。
「学徒出陣」は、「第二次世界大戦末期の昭和18年以降に、兵力不足を補うため、学生を入隊・出征させたこと」という意味があります。
一方で「国家総動員法」は、「日中戦争に際して、国家の総力を発揮させるために、人的、物的資源を統制、運用する権限を政府に与えた法律のこと」という意味があります。
このように、「学徒出陣」は、大学生も入隊・出征させられるようになったことを指す言葉なのに対して、「国家総動員法」は、戦争のために人的物的資源を、政府が管理することを認める法律のことを指す言葉という違いがあります。
まとめ
「学徒出陣」と「国家総動員法」の違いについて見てきました。
2つの言葉の意味と違いを知ることで、第二次世界大戦当時の日本の様子が透けて見えるのではないでしょうか。