「居抜き物件」と「スケルトン物件」はどちらもテナント物件を示す言葉ですが、意味が異なるため使い分ける必要があります。
この記事では、「居抜き物件」と「スケルトン物件」の違いを分かりやすく説明していきます。
「居抜き物件」とは?
「居抜き物件」は「前テナントが使っていた設備や内装、什器などの全部もしくは一部が残されている物件」のことを示します。
「居抜き」には「工場や店などで取り付けられた設備や什器などを残したまま貸したり売ったりすること」という意味があり、「物件」には「品物」もしくは「土地や建物などの不動産」といった意味があります。
「スケルトン物件」とは?
「スケルトン物件」の「スケルトン」には「骸骨」や「船舶や建物の骨組み」などの意味があり、不動産を示す「物件」と組み合わせて「床や天井、壁、内装などが施されておらずコンクリートが打ち放し状態の物件」という意味で用いられています。
「居抜き物件」と「スケルトン物件」の違い
「居抜き物件」と「スケルトン物件」はいずれもテナントを契約する際に目にする言葉ですが、それぞれの意味や特徴、メリットやデメリットに違いがあります。
「居抜き物件」は「直前のテナントが使用していたインテリアや設備、什器などの全て或いは一部が残されている物件」を意味し、直後にそのテナントを使用する場合それらの設備や器具を利用できるという特徴があります。
どんな設備や什器が残されているかはテナントによって異なりますが、主に空調設備や照明、壁紙、給排水設備、フロア材などが残されているケースが多くみられます。
「居抜き物件」のメリットとしては、開業に必要な費用を節約できる点、オープン準備に要する時間が短縮できる点などが挙げられます。
デメリットとしては、引き継いだ設備が劣化していたり管理しにくかったりする場合がある点や、店内のレイアウトやインテリアを自由にカスタマイズできないといった点があります。
一方、「スケルトン物件」は「テナント内に壁紙や天井、内装などが備えられておらず、コンクリートが打ち放しになっている物件」を意味し、前テナントの設備やインテリアが全て撤去されているためゼロから店舗を作ることが可能です。
「スケルトン物件」のメリットとしては、自分好みのレイアウトやインテリアを施せる、物件の数が多い、設備や器具のメンテナンスや管理がしやすいといった点が挙げられます。
デメリットとしては、「居抜き物件」と比較すると内装や設備に要する費用がかかる点や、工事期間が長くなり開店までの時間や手間がかかるといった点があります。
なお、物件の中には一部の設備が残っている場合もあり、そのような物件については「一部居抜き物件」もしくは「半スケルトン物件」などと呼びます。
まとめ
「居抜き物件」と「スケルトン物件」の大きな違いは「前の設備や什器が残っているか否か」という点にあります。
それぞれの持ち味やメリット、デメリットにも相違点がありますので、ぜひ参考にして建物や不動産に関する知識を深めてください。