この記事では、料理で使う「しょうが」と「みょうが」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「しょうが」とは?
ショウガ科の「しょうが」は、土の中で育つ根茎部分が主に店で売られており、すりおろしたり、みじん切りにして料理の中に入れて使う多年草です。
温暖な気候を好む別名ハジカミと呼ばれるサンショウになりますが、日本でも栽培されており、一年中買えるようになっています。
インドでは紀元前500年ほど前には医薬品として認知されていましたが、保存食にもなるため庶民の間で広く使われていた食材です。
日本には中国より2世紀頃に輸入して栽培が始まり、奈良では料理に使っていました。
そんな「しょうが」は淡黄色の多肉で、すりおろすとピリッとした辛味が口の中に広がり、冷奴や豚肉などの日本人が好きな料理の素材の味を引き立たせる効果が高まります。
みじん切りにして野菜と炒めたり、餃子の具材として入れれば味に深みが増して食欲促進としての役目も果たすわけです。
独特な香りを活かし、炭酸水に入れて甘みを足したジンジャーエールや、紅茶に汁を入れると独特な爽やかさと深みと香りが楽しめるジンジャーティーになります。
「みょうが」とは?
温帯の東アジアで採れる「みょうが」の草丈は最大で100cmにも成長し、先端の尖った葉は30cmにもなります。
主に、若芽が料理に使われており、千切りに切って生のまま冷奴のつけ合わせとして、鍋料理のタレに深みを出すために使われています。
生で食べると多少の辛味はありますが、独特な苦味が調味料の役目となり、冷麦やざる蕎麦の汁に混ぜればコクを出し、爽やかさもあいまって美味しく食べられるわけです。
花穂も食用として食べられている「みょうが」は、内部に蕾が最大で12個ほど開花前に出てきます。
香辛菜としてきゅうりとわかめと一緒に酢の物にしたり、味噌汁の具として豆腐との相性も良く、美味しく食べられるのが魅力的であり、加熱するとほろ苦さが緩和され、辛味がなくなって甘みを感じられるようになります。
「しょうが」と「みょうが」の違い
「しょうが」と「みょうが」の違いを、分かりやすく解説します。
すりおろしてもウコンのような淡黄色の実が特徴的な「しょうが」は辛味が強いため、そのまま食べると舌がしびれて痛くなるので醤油やお酢に混ぜて食べれば比較的辛味をやわらげます。
葉が独特であり、茎を中心にして折り重なった葉鞘が巻いているところが独特な姿をかもし出し、特有の辛味を出すのはギンゲロール、ショウガオールであり、香りはジンギベロールなどに由来します。
大きさは大中小の3つに別れているところや、収穫した時期によって新しょうがと呼び方が変わってくるところが「みょうが」と違うところです。
栄養価は食物繊維をはじめ銅や亜鉛が多く、香り成分が200種類以上も含まれています。
一方の「みょうが」はほんのりと赤紫に色づいた花穂部分を食用としており、細切りにして汁に入れたり、天麩羅やサラダにして食べます。
少し独特な苦味と辛味はありますが、さほど気になるものではないため、生で食べられるのも魅力的であり、マヨネーズで和えればさっぱりした料理に仕上がります。
音も独特で、包丁で切るとしゃきしゃきという音がする「みょうが」は柔らかいので切りやすく、「しょうが」のようにすりおろして食べることはほとんどありません。
香りはα-ビネン類で、独特な色の成分は水溶性植物色素のアントシアニンであり、カリウムと食物繊維が多いという違いもあります。
まとめ
どちらも独特な味と辛味を活かし、料理の味付けに使ったり、香辛菜として使える多年草です。
日本では魚や肉の臭みを消し、深みを出すため「しょうが」をすって使ったり、細く切って使うなど工夫します。
「みょうが」はそのまま食べられるところを活かし、料理の付け合せや彩りとして使えるものと覚えておくといいでしょう。