「酒粕」と「甘酒」の違いとは?分かりやすく解釈

「酒粕」と「甘酒」の違い食べ物・飲み物

この記事では、「酒粕」「甘酒」の違いを分かりやすく説明していきます。

「酒粕」とは?

清酒を作る際に得られるもろみを圧縮して残った搾りかすのことです。

清酒の作り方を簡単に説明します。

清酒の原料は、米、米こうじ、酵母です。

これを仕込むと、糖化・発酵が進みます。

発酵が進んだものを熟成させたのち、醸造アルコールを加えて、圧縮・ろ過を行います。

これによって、液体と固形分がわかれます。

固形分の方が「酒粕」です。

主原料の米と異なり、こうじや酵母が含まれており、発酵をしているため、米とは栄養価が異なります。

特に異なる成分は、食物繊維、葉酸、タンパク質です。

うるち米(炊飯米)と「酒粕」100gあたりの栄養価を比較すると、食物繊維はうるち米0. 3g、「酒粕」5. 2g、葉酸はうるち米3μg、「酒粕」170μg、タンパク質はうるち米2. 5g、「酒粕」14. 9gです。

「酒粕」は伝統的な料理に活用されており、代表的なものには奈良漬け、石狩鍋、粕汁、粕漬け、甘酒などがあります。

「酒粕」で作る甘酒は甘くありません。

そのため、砂糖を加えて飲みやすくすることが一般的です。

アルコールを含んでいるため、妊娠中の方は摂取に注意が必要です。


「酒粕」の言葉の使い方

清酒を作る際にできるもろみを圧縮して、液体と固体に分離したときの固体の方を指して用いる言葉です。


「甘酒」とは?

固めのかゆ状にした米に米こうじを加えて発酵させた飲み物です。

使用する米は白米が一般的ですが、黒米や玄米などを使用しても作ることができます。

発酵することで米に含まれるでんぷんが糖に変わり、甘味があります。

そのままでも甘いため、砂糖を加えずに飲むことができます。

「酒」と名についていますが、アルコールは含まれていません。

現在の日本では冬の飲み物として親しまれていますが、江戸時代ころには夏に飲まれていました。

飲む点滴といわれており、糖分、アミノ酸、ビタミンB群などが多く含まれています。

こうじ菌が発酵させることなどによって、栄養価が高まると考えられています。

そのまま飲むのはもちろんですが、料理に活用することもできます。

「甘酒」を使った料理には、リゾット、ケーキ、ドレッシング、シチューなどがあります。

濃縮されているものは、砂糖の代わりのように用いることもできます。

「甘酒」の言葉の使い方

米に米こうじを加えて発酵させた飲み物を指して用いる言葉です。

「酒粕」と「甘酒」の違い

「酒粕」は、もろみを搾って得られるものです。

アルコールを含んでいます。

これを水に溶かして砂糖を加えて温めた飲み物は「甘酒」といいます。

「甘酒」は米と米こうじを混ぜ合わせて発酵させたものです。

アルコールは含んでいません。

「酒粕」から作ったものと、米と米こうじから作ったものがありますが、「甘酒」という場合は後者を指す場合が多いです。

まとめ

一方は清酒を作る際に生じる搾りかす、もう一方は飲み物を意味しています。