最近では利益を追うだけではなく地球環境や資源のことを考えて様々なビジネスの在り方が模索されています。
今回はそんな横文字について2つをご紹介したいと思います。
この記事では「サステナビリティ」と「サスティナブル」の違いを分かりやすく説明していきます。
「サステナビリティ」とは
これは『継続可能性という状態』を表す言葉です。
英語では『Sustainability』とつづり、意味はカタカナ言葉と一緒です。
最近では経済活動や環境、そして資源の有効活動という複合的な状態を継続させていく状態という意味で使われることの多い言葉です。
ポイントは『状態』という部分にあります。
つまり、『サステナビリティ』があるということは先に上げた経済、環境、資源などの関係があるべき状態としてどれも損なわれることなく成立している状態を表しています。
この考えは近江商人の『三方よし』にとても近い概念です。
この近江商人の言葉は自社、お客様、仕入先などビジネスに関わる全員にメリットが出ることがベストのビジネス関係であるということを『三方』と表しています。
『サステナビリティ』はここに『継続可能』という長期的な視点を入れた考え方であり、状態を表す言葉なのです。
具体的な『サステナビリティ』の例としては化石燃料の枯渇や排気ガスによる大気汚染を解決しながらビジネスを継続するという形でEV(電気自動車)が一番イメージが湧きやすいのではないでしょうか。
「サスティナブル」とは
これは『継続可能を目的とした場合の手段としての産業、開発や取り組みなど』を表す言葉です。
英語では『Sustainable』とつづる形容詞です。
ポイントになるのは『目的とした場合の手段』という部分にあります。
つまり、『サスティナブル』というのは『継続可能』という状態についてそれが達成できているかできていないかについては言及をしていないのがこの言葉のキーになります。
最近では様々な形で『サスティナブル』な取り組みがされています。
例えば有名なのが『SDGs』(Sustainable Development Goals)(継続可能な発展目標)という言葉がよくありますが、現在あるアイデアの全てが『継続可能』かどうかまでは引き続き確認する必要があるという取り組みやビジネスが多いのが現実ではないでしょうか。
例えば太陽光発電というのは環境と人間の生活、燃料問題などを解決する手段として古くは30年以上前から取り組まれていますが、実際のところはエネルギー効率やパネル自体の耐久年数、価格やパネルそのものを作る材料などを考えると今では疑問視をする声も挙がっています。
この様にあくまでも『手段』にフォーカスをしている言葉が『サスティナブル』なのです。
「サステナビリティ」と「サスティナブル」の違い
この二つは継続可能という共通項目を持ちながら前者は『状態』を、後者は『達成する為(もしくは出来るだろうと考える)手段』という違いではっきりと分けることが出来ます。
単に英語の名詞と形容詞という形では理解することが出来ないのがこの2つの言葉の注意すべきポイントです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
カタカナ言葉で単なる品詞の違いかと思いきや『持続可能』というものに対してのとらえ方が違うのが今回の『サステナビリティ』と『サスティナブル』でした。
ビジネス用語や概念は多く海外から入ってくる場合が多いので、単純に辞書を調べるだけでなくしっかりとその背景にある言葉の本質をとらえることがカタカナ言葉では重要です。