「サテン」と「シルク」の違いとは?分かりやすく解釈

「サテン」と「シルク」の違い専門用語・業界用語

サテンとシルクは、滑らかな質感が特徴の生地です。

サテンとシルクの違いについて紹介します。

サテンとは?

サテンは、しゅす織という織り方で織られた生地のことをいいます。

経糸と緯糸が交差する部分が極力目立たないように、織物の表面に経糸や緯糸が浮かせた織り方になります。

どちらか一方向の糸だけで織られているように見えます。

サテンは織り方の名前なので、素材は特に限定されていません。

コットンやシルク、ウールといった天然繊維が使われることもありますし、ポリエステルやキュプラといった化学繊維が使われることもあります。

サテンの発祥は中国で、それがヨーロッパに広まり日本にも入ってきたといわれています。

サテンの特徴は、滑らかな肌触りと美しい光沢にあります。

他の織物よりも生地の面が滑らかなので、引っ掛かりも感じません。

また、経糸と緯糸が交差している点が少ないほど生地の光沢は増していきます。

サテンは交差する点が極端に少ないので、光沢のある生地になるのです。

そのためウェディングドレス等にも用いられます。

それから熱を通しやすい性質があるので、寒い時期にはひんやり感じるのも特徴です。

生地の強度は低く、摩擦を受けたりちょっとした引っ掛かりでシワや傷になってしまいます。


シルクとは?

シルクは蚕の繭から作られる天然繊維のことをいいます。

日本では絹と呼ばれていて、古くから衣類の材料として使われていました。

中国では紀元前から絹の生産が行われており、世界に輸出されています。

その輸出路はシルクロードと呼ばれました。

シルクの特徴は、上品な光沢と滑らかな質感にあります。

シルクの光沢は、原料の繊維のタンパク質の断面がプリズム状になっていることで生まれます。

光が乱反射することで、キラキラと輝くような光沢が生じるのです。

肌触りも優しく、天然繊維なのでアレルギーなども起きにくいというメリットもあります。

パジャマや下着などにも使われますし、ドレスやワンピース等フォーマルな衣装にも使われます。

着物にも使われていて、シルク100%の正絹で作られた着物は高級品として扱われます。

シルクは繊細な生地なので、摩擦に弱く紫外線などで変色しやすいという特徴もあります。

そのため取り扱う際には注意が必要です。


サテンとシルクの違い

サテンは素材の名前ではなく、織り方の種類になります。

それに対してシルクは、素材を表しています。

シルクを使って作られたサテンもあります。

英語で「satin(サテン)」というと、シルクで織られたサテンのことをいいます。

ウールやコットンなど他の素材を使った場合には「sateen(サティーン)」となります。

素材によって区別しているのです。

日本では、そういった区別はしていません。

まとめ

サテンはしゅす織で織られた生地で、シルクは蚕の繭からとられた天然繊維のことをいいます。

そのためシルクを使って作られたサテンの生地もあります。