「抑制栽培」と「促成栽培」の違いとは?分かりやすく解釈

「抑制栽培」と「促成栽培」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「抑制栽培」「促成栽培」の違いを分かりやすく説明していきます。

「抑制栽培」とは?

「抑制栽培」とは野菜や花などの植物を、本来の出荷時期より遅く出荷するための栽培方法です。

売り物として栽培されている野菜や花は、本来花が咲く時期や食べ頃になる時期が決まっています。

そのため自然に育てていれば同じ品種の野菜や花は、収穫できる頃には他の農家も収穫しているものです。

そのため普通に栽培したものは売値が安くなることも多いですが、「抑制栽培」をすると売る時期を遅らせられるので、供給が少ない分単価が高くなり、より大きな利益を狙えるようになります。

人工的に気温を下げて栽培するという方法をとることもありますが、最初から寒い地域で栽培することもありますし、単純に種まきの時期を遅らせるという、特に成長を抑えているわけではない栽培方法も、「抑制栽培」の一つです。


「促成栽培」とは?

「促成栽培」とは野菜や花などを本来の出荷時期より早く出荷するための栽培方法です。

本来の旬とは出荷時期をずらすことで単価を上げ、収益率の向上を狙うという点では「抑制栽培」と同じですが、そのための手段や考え方としては真逆に位置します。

温室やビニールハウス内で栽培を行い、気温を高めたり夜も光を当て続けるなどの方法で成長を促進し、手を加えず自然に育てるより、早く収穫できるようにするという方法が一般的です。

自然環境を利用して他の地域より早い時期に出荷を狙うという方法もありますが、ビニールハウスでの加温や保温という方法で、地域を選ばず可能になります。

そのため全国的に行われていますが、その分設備投資であったり加温にコストが掛かりやすいのがデメリットです。


「抑制栽培」と「促成栽培」の違い

「抑制栽培」「促成栽培」の違いを、分かりやすく解説します。

本来の出荷時期より遅く出荷するための栽培方法や技術が「抑制栽培」で、逆に早く出荷するための栽培方法や技術が「促成栽培」です。

「抑制栽培」は自然環境を利用した方法や技術も多いですが、「促成栽培」は主にビニールハウスのような人工的環境を用意して行われます。

そのため「抑制栽培」は栽培を始めることにも栽培中の管理にも特別大きなコストはかからないことも多いですが、「促成栽培」は設備や設備を稼働させるコストが大きいというのがデメリットです。

また自然環境を利用している場合、「抑制栽培」は北国や高原と言った寒冷地で行われ、「促成栽培」は南国のような温かい地方で行われる事が多いというのも違いと言えます。

まとめ

音は一つ違いですが、文字にしてみれば大きく違いますし、使われている漢字からどのような栽培を指すのか察しも付きやすいでしょう。

どちらも目的としては旬の時期から出荷をずらして利益を増やすというものですが、そのために敢えて出荷を遅らせるのか、逆にいち早く出荷するのかという違いがあるのが「抑制栽培」「促成栽培」です。