「偏西風」と「季節風」の違いとは?分かりやすく解釈

「偏西風」と「季節風」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「偏西風」「季節風」の違いを分かりやすく説明していきます。

2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。

「偏西風」とは?

「偏西風」「へんせいふう」と読みます。

「偏西風」は、「中緯度地方の上空を取り巻いて、一年中、西から東に吹く風のこと」という意味があります。

この「偏西風」は南半球にも北半球にも見られる現象で、上空に行くほど速度を増します。

対流圏と成層圏の境界面で、赤道付近で高さ約18kmに位置する「圏界面(けんかいめん)」では、幅が狭く、風速がとても大きな「ジェット気流」が形成されます。

そもそも、地球規模で大気の循環が起こっていることに「偏西風」が吹く理由があります。

地球には高温の赤道付近と、低温な北極・南極の極付近があり、この両者の間に大規模な熱対流が起こり、それに地球の時点が影響するため、3つの対流に分かれて、風を吹かせます。

3つの対流が風として吹く時、「偏西風」「偏東風」「貿易風」が生まれ、その中の西から東に吹く風を、「偏西風」と呼びます。


「季節風」とは?

「季節風」「きせつふう」と読みます。

「モンスーン」と呼ばれることもあります。

「季節風」は、「季節によって吹く方向を変える風のこと」という意味があります。

大陸と海洋の温度差が原因で起こる現象で、平均して、冬は大陸から海洋に向かって吹き、夏は海洋から大陸に向かって吹きます。

東南アジアやインドに「季節風」が吹きやすく、乾季や雨季が生じる理由となっています。

アラビア海では、夏になると南西の風が吹き、秋から春にかけては、北東の風が吹きます。

このことが、沿岸諸国の海上貿易や海上交通に、大きな影響を与えていました。

このことから、アラビア語の「季節」を意味する、「マウスィム」という言葉が、「モンスーン」という言葉になり、「季節風」と訳されています。

このように、季節によって、風が吹く方向が変わる時、「季節風」と呼びます。


「偏西風」と「季節風」の違い

「偏西風」「季節風」の違いを、分かりやすく解説します。

「偏西風」は、「中緯度地方の上空を取り巻いて、一年中、西から東に吹く風のこと」という意味があります。

一方で「季節風」は、「季節によって吹く方向を変える風のこと」という意味があります。

このように、どちらも「風」についての言葉という共通点があります。

ただし、一年中、西から東に吹く風を「偏西風」と呼ぶのに対して、季節ごとに吹く方向を変える風を「季節風」と呼ぶという違いがあります。

また、「偏西風」は、地球規模で起こる自然現象の一つなのに対して、「季節風」は、ある場所の大陸と海洋の気温差によって起こる自然現象だという違いがあります。

まとめ

「偏西風」「季節風」の違いについて見てきました。

2つの言葉の意味の違いを知ることで、天気予報の理解度が深まるかもしれません。