この記事では、「幕の内弁当」と「松花堂弁当」の違いを分かりやすく説明していきます。
「幕の内弁当」とは?
ご飯といくつかのおかずで構成されている弁当のことです。
外出先で食べるためのものです。
この名で呼ばれるようになったのは江戸時代ごろだとされてています。
芝居の役者のために作られたものが、次第に観客用としても作られるようになったといわれています。
役者が幕の内側で食べるから、観客が幕の内に食べるからなど、この言葉の由来は諸説あります。
ご飯は白米が使用されることが一般的です。
容器にそのまま形を整えずに入れたものもあれば、俵型に整えられているものもあります。
おかずの種類はさまざまです。
たとえば、鮭の塩焼き、野菜の煮物、漬物、揚げ物、卵焼き、かまぼこなどです。
あるデパートで販売しているこの弁当には、ゆで卵、豆、かぼちゃの煮つけ、エビフライ、漬物、ブロッコリーなどと白米が容器に入れられています。
おかずの数は弁当によって異なり、2~3種類くらいのこともあれば、5種類以上のこともあります。
おかずの種類が多く、使用している素材にこだわっていたり、手が込んでいたりすると、価格が高くなる傾向があります。
汁が多いものは持ち運びの際にこぼれてしまうので、汁けが少ないものを入れるのが一般的です。
そのため、スープなどはつきません。
「幕の内弁当」の言葉の使い方
ご飯といくつかのおかずで構成される弁当を指して使用する言葉です。
ご飯は白米が一般的で、炊き込みご飯を使用しているものは、この名で呼ぶこともあれば、呼ばないこともあります。
「松花堂弁当」とは?
縁の高い箱の中を十字に仕切り、それぞれの仕切りにおかずを盛り付けた弁当のことです。
この弁当の名は、江戸時代の松花堂昭乗という人物に因むといわれています。
入れ物には縁の高いものを使用し、これにはフタをかぶせます。
使い捨てのものを使用する場合もあれば、使い捨てでないものを使用する場合もあります。
おかずの種類はさまざまで、茶碗蒸し、刺身、揚げ物、野菜の煮物、卵焼き、蒸したエビなどが入れられます。
4つに仕切ったものの場合は、箱の中にはおかずだけが入っていることが一般的です。
また、この弁当は汁けが多いおかずを入れることが珍しくありません。
どこでも食べられるようにするには汁けが少ない方が持ち運びしやすく便利です。
しかし、この弁当はどこでも食べられるようにというよりも、料亭などで楽しむためのものです。
「松花堂弁当」の言葉の使い方
縁の高い箱を十字に仕切って、そこにおかずを入れた弁当を指して使用する言葉です。
「幕の内弁当」と「松花堂弁当」の違い
容器とおかずが異なります。
前者は容器に定義はなく、おかずは汁けが少ないもの、後者は縁が高く中を十字に仕切った容器で、おかずには汁けのあるものが含まれます。
まとめ
2つのものは使用する容器とおかずに違いがあります。