この記事では、「閉塞前線」と「寒冷前線」の違いを分かりやすく説明していきます。
前線の差を学んでいきましょう。
「閉塞前線」とは?
閉塞前線(へいそくぜんせん)とは、暖かい空気と冷たい空気のボーダーラインのこと。
前にある温暖前線に、後からやって来た寒冷前線が追い付きできる「空気の分かれ目」です。
このようなとき気圧や温度の谷間ができて、閉塞前線がうまれます。
閉塞前線には温暖型と寒冷型のふたつがあります。
後からやって来る寒冷前線の温度が、前方にある寒気より温かければ温暖型。
冷たければ、寒冷型と区別しています。
温暖型の閉塞前線では雪や雨がまとまって降りやすく、寒冷型の閉塞前線になるとゲリラ豪雨のような激しい雨や大雪が、短時間の間に一気に降ることもあります。
「寒冷前線」とは?
寒冷前線(かんれいぜんせん)も冷たい空気と温かい空気の、境界線にうまれます。
後からやって来た冷たい空気が前にある温かい空気を、無理やり持ち上げてできます。
こうなると周囲の気圧はジェットコースターの落下のように、一気に下がっていきます。
そのため大気の状態が不安定になり、大きなニュースになるような警報級の大雨が降ることもあります。
数時間前までは青空が見えていたのに、急にゴロゴロと雷が鳴り出す、変わりやすい天気をもたらします。
場所によっては竜巻や突風など強い風が吹き荒れて、心配される状況になります。
「閉塞前線」と「寒冷前線」の違い
どちらも前線のひとつです。
「閉塞前線」と「寒冷前線」の違いを、分かりやすく解説します。
・メカニズムの違い
おもな前線には、温暖前線、寒冷前線、停滞前線、閉塞前線があります。
この4種類のうち、今回出てくるのが「閉塞前線」と「寒冷前線」です。
この2つの大きな差は、前線が生まれるときの状況です。
閉塞前線は前方でゆったり歩いている温暖前線を、後ろから猛ダッシュでやって来た寒冷前線が追い越すときに生まれます。
このとき前後にある寒気同士が力比べをして、後からやって来た寒気の方がより冷たい場合は「寒冷型」。
後からやって来た空気の方が暖かい場合は「温暖型」となります。
一方で寒冷前線は前にある暖気を、後ろからやってきた寒気が持ち上げるときに生まれます。
暖気の下に、無理やり寒気が入り込むので、とてもアンバランスでいびつな状態になります。
雨や雪が降りやすくなり、お天気は荒れ模様になります。
ちなみにそれぞれの天気記号は、寒冷前線は「三角の山がいくつも連なっている線」閉塞前線は「半円と三角が、交互にまじった線」になっています。
区別をつけておきましょう。
まとめ
「閉塞前線」と「寒冷前線」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも前線の種類をいいます。
閉塞前線は、寒気が暖気を追い越すときに生まれます。
寒冷前線は寒気が暖気の下に、無理やり入ろうとして生まれます。
どちらも天気は下り坂となり、雨や雪など天気の大きな変化が生まれます。
注意しておきたい前線です。