料理の味や香りを整えるために加えるものに「調味料」と「香辛料」があります。
このふたつはどのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「調味料」と「香辛料」の違いについて解説します。
「調味料」とは?
「調味料」とは、「料理の味を整えるために用いられる食用の材料」を意味する言葉です。
「調味料」の使い方
料理に味をつけるために使われる食べられる材料のことを「調味料」といいます。
塩や砂糖、しょうゆや味噌など天然素材をそのまま使用したり野菜や植物を加工して抽出したりして製造される「調味料」を用いることで食材の味と風味に新たな味つけが加えられ、食べて美味しい整った味の料理が完成します。
世界で最も使われている調味料は塩です。
岩塩や海水園など自然から採取される塩は最も手軽に調達できる調味料であるだけでなく人間が生きていくのに欠かせない必須成分でもあります。
長期間塩を摂取しないと生命維持に必要なミネラル分などが減少し体調を崩してしまいます。
塩と並んでポピュラーな調味料が砂糖です。
甘みを加える砂糖はお菓子やスイーツだけでなく料理の味を整える隠し味としてさまざまな料理に使われています。
和食独特の甘辛い味つけは砂糖によるもので現在のように砂糖が大量生産される以前はもっと塩辛く甘みの薄い味つけが主流でした。
「調味料」は食文化と密接に関わっていることもあり地域によって独自に発展したものが多く存在します。
日本の味噌やしょうゆも独自に発展した調味料のひとつです。
食文化の発展とともに複雑な味わいで製造にも手間がかかる「調味料」が誕生します。
マヨネーズやケチャップ、ウスターソースやめんつゆなどは塩や砂糖に比べると使われている材料も多く製造にも時間がかかる「調味料」です。
「香辛料」とは?
「香辛料」とは、「料理に色や香りをつけるために用いられる食用の材料」を意味する言葉です。
「香辛料」の使い方
トウガラシやコショウなど「鮮烈な香気を放ち料理に加えることで刺激的な風味を加えるもの」を「香辛料」といいます。
「香辛料」は特定の植物から生産される香りが強い食用材料の総称であり個別の色や香りには違いが見られます。
今よりも保存技術が未熟だった中世において古く腐りかけの肉を食べるのは当たり前でした。
食べる物自体が限られていた時代において味や匂いに文句をいうのはとてもぜいたくなことでしたが、食べるものがないとはいっても腐りかけて臭気を放つようになった肉を食べるのは簡単ではありません。
当時のヨーロッパ貴族は肉の臭みを消すためにあれこれ調理を工夫していましたが肉の臭み消しとして珍重されたのが「香辛料」です。
インドから東南アジアにかけて生産される「香辛料」は高値で取引され「香辛料」を求めて多くの船乗りが世界進出していきました。
大航海時代のきっかけとなったのは「香辛料」のおかげと言っても過言ではありません。
現代では「香辛料」も大量生産されるようになり安価に入手できます。
料理の風味を加えたり臭みを消したりなど世界中で美味しい料理のために使われています。
「調味料」と「香辛料」の違い
「調味料」と「香辛料」の違いは「使用目的です。
「調味料」は味を整えるために使うもので「香辛料」は香りを整えるために使うものという違いがあります。
「調味料」の例文
・『最後に調味料を加えて仕上げる』
・『調味料をかけ過ぎて素材の味がわからなくなってしまった』
「香辛料」の例文
・『カレーには多くの香辛料が使われている』
・『香辛料の組み合わせで風味がガラリと変わる』
まとめ
「調味料」と「香辛料」はどちらも料理に使うものですが使う目的に違いがあります。
美味しい料理を使うのに欠かせないものですが使いすぎるとかえって完成度が下がってしまうので注意しましょう。