多様な働き方として推進されているのが「時差出勤」と「フレックスタイム制」です。
このふたつはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「時差出勤」と「フレックスタイム制」の違いについて解説します。
「時差出勤」とは?
「時差出勤」とは、「所定の出勤時間をずらす勤務制度」を意味する言葉です。
「時差出勤」の使い方
「時差出勤」は会社や職場などで導入される勤務制度の一種で「所定の勤務時間を守る範囲内で出勤時間を一律にずらす仕組み」を指します。
日本における労働問題として長く続く問題のひとつに「通勤ラッシュ」があります。
徒会で働く人達にとって朝の通勤ラッシュは悩ましい問題です。
乗車率200%を超える身動きも取れないような状況で毎日会社に通勤するのはとても大変です。
世界的に見ても日本のラッシュは凄まじく、疲労や精神的な負担以外にもスリや痴漢など犯罪被害にもつながることからこれまで何十年も解消が叫ばれていました。
通勤時の混雑を避けるための取り組みとして導入されたのが「時差出勤」です。
「時差出勤」は簡単にいえば「始業時間を他の会社とずらす制度」です。
一般的な企業は9時始まりが多いのですが始業時間を早めたり遅くしたりと時差を設けることで従業員の出勤時間帯をラッシュのピークからずれ、ゆとりある出勤が実現します。
「フレックスタイム制」とは?
「フレックスタイム制」とは、「労働者が勤務時間を自由に選べる労働制度」を意味する言葉です。
「フレックスタイム制」の使い方
コレまでの会社ではシフト制を除き従業員全員が同じ時間帯に働くのが一般的でした。
9時始業17時終業というように職場全員が一斉に働き始め同じ時間に終わるというのがこれまでの働き方でしたが、家庭の事情により遅く出勤したい人や早く帰りたい人にとっては不都合が生じます。
そのような問題を解決してくれるのが「フレックスタイム制」です。
「フレックスタイム制」ではコアタイムと呼ばれる出勤必須時間に会社にいることと所定の労働時間を守ること条件に出勤時間と退社時間を個人が自由に選べます。
遅く出勤したければ終業を遅らせる、早く帰宅したければ出勤時間を早めるなど自由に働く時間を選べる「フレックスタイム制」は多様な働き方にあった労働制度です。
「時差出勤」と「フレックスタイム制」の違い
「時差出勤」と「フレックスタイム制」の違いは「個人の裁量」です。
「時差出勤」は会社や職場単位で一斉に導入されるものなので出勤時間はずれますが個人で決めることはできません。
「フレックスタイム制」はコアタイムさえ守れば出勤時間を自由に決められます。
始業時間と就業時間は決まっているが他社とずらしているのが「時差出勤」、始業時間と就業時間が決まっておらず同じ職場でも人によって異なるのが「フレックスタイム制」という違いで区別されます。
「時差出勤」の例文
・『明日から時差出勤なので8時に家を出れば始業時間にまにあう』
・『時差出勤を採用する会社が増えたおかげでラッシュが緩和された』
「フレックスタイム制」の例文
・『フレックスタイム制の導入について議論された』
・『フレックスタイム制なので同僚でもあまり会わない人がいる』
まとめ
「時差出勤」と「フレックスタイム制」は働き方改革やウイルス感染対策など混雑を避けるための取り組みが本格化したことで導入する企業が増加しています。
同じ勤務時間の多様性を意味する言葉でも内容はまったく違うのでそれぞれの正確な意味を知っておきましょう。