「確証バイアス」と「正常性バイアス」の違いとは?分かりやすく解釈

「確証バイアス」と「正常性バイアス」の違い専門用語・業界用語

心理学用語として「確証バイアス」「正常性バイアス」という言葉があります。

これらの言葉は何を意味しているのでしょうか。

今回は、「確証バイアス」「正常性バイアス」の違いについて解説します。

「確証バイアス」とは?

「確証バイアス」とは、「確証を持っていることに対して有利な事実や都合のいい情報ばかりを無意識のうちに選んでしまう認知の歪み」を意味する言葉です。


「確証バイアス」の使い方

人が外部の物事を知覚したり判断したりする心理的働きをあらわす言葉が「認知」です。

人の認知は公平であるようでいて実際には不公平だったり間違ったりしていることがありますが、そのような「認知が正しく行われないこと」を指して「バイアス」と呼びます。

バイアスとは「偏り」という意味で無意識のうちに行動や判断に偏りが出てしまう認知の歪みを指す言葉です。

人間心理には様々な理由でバイアスが発生します。

バイアスの中でも「思い込みや先入観など確証として抱いていることに対して発生する認知の歪み」「確証バイアス」です。

思い込みや先入観を持ったまま物事を認知すると無意識のうちに都合のいい選択肢を選んだり有利な情報ばかり集めたりなど行動の偏りが発生します。

そのような「確証を肯定する選択を無意識のうちにしてしまう傾向」「確証バイアス」であり、結果として正確ではないデータや情報ばかりが集まってしまい思い込みを加速させてしまいます。


「正常性バイアス」とは?

「正常性バイアス」とは、「正常な状態が続くものと無視式に思い込むことにより発生する認知の歪み」を意味する言葉です。

「正常性バイアス」の使い方

多くの人は平凡な日常がこのまま続くと何の根拠もなく思い込んでいます。

実際に我々の生活でトラブルや異常事態が発生することはほとんどありません。

日常がこのまま続くと思い込んでしまうのも当然といえば当然なのですが、冷静に考えれば日常がこのまま続く保証などどこにもありません。

このような「正常な状態が当然であると無根拠に思い込んでいる認知の歪み」を指す言葉が「正常性バイアス」です。

火の手が上がっているのに自分は巻き込まれないと思っている、台風が迫っているが自宅に被害はないと決めつけているなど「根拠が無いのに自分だけは安全で正常な状態が守られると思い込む心理状態」「正常性バイアス」に当たります。

安全で平凡な日常が続くはずと思い込んでいるために異常事態に直面しても自分が巻き込まれるとは想像できず、結果的に逃げ遅れて被害にあったり対策が遅れたりなど認知の歪みにより大きな被害に繋がる恐れがあります。

「確証バイアス」と「正常性バイアス」の違い

「確証バイアス」が思い込みや先入観など個人の確証がバイアスの原因なのに対し「正常性バイアス」は自分にとっての正常という思い込みがバイアスの原因です。

「正常性バイアス」は異常を正常だと思い込むことによる「確証バイアス」の一種でありどちらも認知の歪みですが個人の主観に影響されるのが「確証バイアス」、常識や道徳に影響されるのが「正常性バイアス」という違いで区別されます。

「確証バイアス」の例文

・『論文のデータ集めでは確証バイアスに注意が必要だ』
・『確証バイアスを排除できない調査は信用出来ない』

「正常性バイアス」の例文

・『多くの被害者がでてしまったのは正常性バイアスが原因だ』
・『正常性バイアスにより非難の判断が鈍る恐れがある』

まとめ

「確証バイアス」「正常性バイアス」は誰にでもあります。

そのような認知の歪みをあることを意識するのが一番の対策です。

最初から排除しようとするのではなくそのようなことが起こりえると意識しておくことが一番の対策です。