「ニラ」と「スイセン」の違いとは?分かりやすく解釈

「ニラ」と「スイセン」の違い動物・植物・昆虫

形が似ていて間違えやすい植物として「ニラ」「スイセン」があります。

絶対に間違えてはいけないこのふたつの植物をどこで見分ければよいのでしょうか。

今回は、「ニラ」「スイセン」の違いについて解説します。

「ニラ」とは?

「ニラ」とは、「中国原産のネギ科多年草植物で緑黄色野菜に分類される食用植物」です。

緑色の葉でシャキシャキとした歯ごたえが特徴の「ニラ」は中国料理をはじめ様々な料理に使われる野菜です。

非情に匂いが強く鮮烈な香気を放つことからスタミナ源、栄養源としても知られており炒めものや汁物などに調理され日常的に食されています。

生命力が強く栽培も容易なことから日本全国で栽培されている「ニラ」はネギ科特有の匂いが特徴です。

青々とした葉を切ると緑色の汁とともに強い香気が立ち上ります。

その強い匂いから日本では体力増進に効果がある精力剤的な役割を果たすものとして考えられています。

勢力がつきすぎて煩悩を生み出す原因になる可能性があることから禅宗などの精進料理ではネギ、ラッキョウ、ニンニク、タマネギと並んで料理への使用を避けるべき五葷のひとつに数えられています。

どんな土地や気候でも簡単に作れる丈夫な野菜のため家庭菜園でも好んで栽培される人気野菜です。

生命力は群を抜いており庭に種をまいておけば何も世話しなくても勝手に育つるほどです。

食用として人気の野菜ですが食べて美味しいのは完全に成長し切る前の段階なので伸びる前に収穫されます。

青々と成長しきったニラは葉の繊維が固くなってしまい歯ごたえも舌触りも悪くなります。

味も青臭さばかりが目立つようになってしまうので出荷用に栽培される「ニラ」は育ちきる前のタイミングで収穫されたものです。

「ニラ」が放つ独特な匂いの原因物質はニンニクにも含まれている硫化アリル類の一種アリシンです。

アリシンは水溶性なので調理前に水にさらすと匂いを抑えられます。


「スイセン」とは?

「スイセン」とは、「ヒガンバナ科スイセン属に属する植物の総称」です。

一般的に「スイセン」という場合は「ラッパ状の花と細長い葉を持つ植物」を指しますが、厳密には「スイセン」という植物は存在しません。

ヒガンバナ科スイセン属には「ニホンズイセン」「ラッパスイセン」など多様な品種がありますがそれらを総称して「スイセン」と呼んでいます。

日本の「スイセン」はもともと中国から伝わったものです。

「スイセン」はヨーロッパを中心に自生する品種であり中国にも広まっていた一部の品種が日本にも伝えられ現在に至ります。

ヨーロッパでは非情に人気が高く品種改良も盛んで英国王立園芸協会には1万を超える品種が登録されています。


「ニラ」と「スイセン」の違い

「ニラ」「スイセン」はどちらも緑の細長い葉が特徴で非情によく似ていますが絶対に間違えてはいけません。

なぜなら「ニラ」は食用ですが「スイセン」には毒があるからです。

毎年数件は中毒事故が報告されるほどよく似ている植物ですが「スイセン」の毒性は強く死亡事故も発生しています。

「ニラ」「スイセン」の一番の違いは「大きさ」です。

「ニラ」「スイセン」を比べると「スイセン」のほうが葉の幅が広く茎も太めで全体的に大ぶりです。

ただし育ちきる前の「スイセン」はまだ小さいので「ニラ」と間違える危険性があります。

もう一つの違いとして「スイセン」には丸い球根がありますが「ニラ」にはありません。

匂いもはっきりと違いがあるので大きさ、根っこ、匂いの3つで見分けてください。

まとめ

「ニラ」「スイセン」はよく似ていますが有毒なので間違えると大変危険です。

はっきりと見分けられる自信がないのなら疑わしいものは絶対に口にしないでください。

ポイントさえおさえれば区別するのはそれほど難しくありません。

それぞれの特徴をきちんと覚えておきましょう。