春を知らせる「梅」と「桜」は、花びらの形や立ち姿が似ているといわれますが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「梅」と「桜」の違いを分かりやすく説明していきます。
「梅」とは?
「梅」【うめ】は、バラ科サクラ属の果樹です。
中国が原産の落葉高木で、早春にピンクや白の花を咲かせ、6月頃に食用となる果実がみのります。
また「梅」といえば、この果実を指すこともあります。
日本では、花を観賞したり果実を食用にしたりして、古くから親しまれて続けてきました。
梅を鑑賞することを「観梅」「梅見」といい、木の立ち姿、花、香りを愛でながら、静かで風流ななたたずまいを楽しみます。
多くの品種があり、開花時期や花の色、形などは多岐にわたります。
全国各地に梅の名所があり、約3千本の梅がある「偕楽園」は日本三名園のひとつとして観光客でにぎわっています。
果実の「梅」は、梅干しや梅酒、梅肉エキスなどに加工して食用にされることでもおなじみです。
熟していない青梅は有毒のため、生のまま食用にすることはありません。
「桜」とは?
「桜」【さくら】は、バラ科サクラ属の花木です。
日本、ヨーロッパ、アメリカなどに広く自生する落葉広葉樹で、主に観賞用として栽培されています。
日本では天然記念物に指定されており、日本人には大変なじみの深い花となっています。
品種改良によって多くの品種が存在し、開花時期、花の色や形はさまざまです。
代表的な品種にはソメイヨシノ、ヤエザクラ、シダレザクラなどがあり、3月~4月の開花シーズンは全国各地の桜の名所が花見客でにぎわいます。
桜が満開になると景色がピンク色に染まって華やかになりますが、開花期間は短く、花吹雪を伴ってあっけなく花が散ってしまいます。
「ぱっと咲いてさっと散る」いさぎよさが好まれ、日本人の精神性を象徴する花ともいわれています。
なお果樹専用の品種からは「さくらんぼ」が収穫できます。
観賞用の「桜」は食用できる果実がみのらないため、さくらんぼはなりません。
「梅」と「桜」の違い
「梅」と「桜」の違いを、分かりやすく解説します。
「梅」と「桜」は日本人にもっともなじみの深い春の花です。
その風流な美しさから、日本人は古くから花を観賞したり、家紋や図柄に用いたりして親しんできました。
「梅」は2月頃に開花する果樹で、6月頃にみのる果実は梅干しや梅酒などに加工され食卓でも親しまれています。
「桜」は主に4月頃に開花を迎える花木で、満開の頃には桜の名所が花見客でにぎわいます。
どちらもバラ科サクラ属に属しますが、生物学的には分類上の種類が少し異なります。
「梅」はどちらかというと静かな風流さ、「桜」は華やかさで雅やかな雰囲気があり、それぞれ異なる美しさで日本人を魅了しています。
まとめ
「梅」と「桜」は、美しいもの同士を対比するときの例えに使われるように、それぞれ違った美しさがあります。
どちらも日本を代表する春の花ですが、種類や用途は少し異なります。