この記事では、「提訴」と「起訴」と「告訴」の違いを分かりやすく説明していきます。
一見すると同じ言葉に見えるような、「提訴」と「起訴」、「告訴」という3つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「提訴」とは?
「提訴」は「ていそ」と読みます。
「提訴」は、「裁判所などに訴え出ること。
訴訟を起こすこと」という意味があります。
「提訴」の言葉の使い方
スポーツの試合結果に満足がいかないという選手がいる場合、判定などを見直してもらえるよう、スポーツ仲裁裁判所に、訴え出ることがあります。
この場合は、「判定に納得がいかないため、スポーツ仲裁裁判所に提訴する選手」などという文章を作ることができます。
「起訴」とは?
「起訴」は「きそ」と読みます。
「起訴」は、「刑事訴訟で、検察官が裁判所に控訴を提起すること」という意味があります。
正式な裁判を求める場合は、「公判請求」と呼び、書面審理による簡易な手続きを求める場合は、「略式起訴」と呼びます。
「起訴」の言葉の使い方
殺人事件が起こった時、被害者の妻が犯人だという疑いがあり、逮捕される場合があります。
その後、取り調べを経て、検察官が裁判所に控訴を提起する場合は、「夫殺しの犯人として、被害者の妻が検察に起訴された」などという文章にできます。
「告訴」とは?
「告訴」は「こくそ」と読みます。
「告訴」は、「犯罪の被害者、およびそれに準じるものなどが、捜査機関に犯罪事実を申告して、犯人の訴追を求めること」という意味があります。
「告訴」の言葉の使い方
有名人について、SNSなどで誹謗中傷する人がいる場合があります。
有名人が誹謗中傷した人に対して、訴追することを求める場合は、「誹謗中傷された有名人が、名誉棄損で告訴する」などという文章を作ることができます。
「提訴」と「起訴」と「告訴」の違い
「提訴」は、「裁判所などに訴え出ること。
訴訟を起こすこと」という意味があります。
また「起訴」は、「刑事訴訟で、検察官が裁判所に控訴を提起すること」という意味があります。
さらに「告訴」は、「犯罪の被害者、およびそれに準じるものなどが、捜査機関に犯罪事実を申告して、犯人の訴追を求めること」という意味があります。
どれも、裁判に関する言葉という共通点があります。
ただし、「提訴」は「被害者が裁判所に訴えること」を意味するのに対して、「起訴」は、「検察が裁判所に訴えること」を意味するという違いがあります。
さらに「告訴」は「被害者が警察などに訴えること」を意味するという違いがあります。
このように、どの言葉も、訴えることを意味しますが、訴える人と、訴える場所に違いがあることが分かります。
まとめ
「提訴」と「起訴」と「告訴」の違いについて見てきました。
3つの言葉には明確な意味の違いがありました。
3つの言葉の意味の違いを知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。