この記事では、「他者」と「他社」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「他者」と「他社」の違い
「他者」と「他社」は同音異義語です。
どちらも「たしゃ」と読みます。
しかし、二つの言葉の意味は異なります。
「他者」は「他人」を指して言う言葉です。
「自分以外の他の人」という意味で、個人や世間一般の人を示します。
「私」に対する「他の人」が「他者」です。
これに対し「他社」は「他の会社」という意味です。
「自社以外の会社」という意味です。
「他者」と「他社」の使い方の違い
「他者」は「人」に対して用いますが、「他社」は「会社」に対して用います。
「他者に迷惑をかける」と用いた場合、「他人に迷惑をかける」という意味になります。
「他社に迷惑をかける」と使った場合は、「他の会社に迷惑をかける」ということです。
「他者」と「他社」の英語表記の違い
「他者」は英語で“others”(アザーズ)です。
「他社」の英語表記は“other company”(アザーカンパニー)となります。
「他者」の意味
「他者」は、「他の者」と書きます。
字の通り、「他者」とは「自分以外の他の者」という意味です。
人に対して用いる言葉で、「自分以外の人」という意味です。
「他人」という意味で用いられます。
「他者」は「自分以外の、ある特定の人物」を指す場合もありますが、「自分以外の、世間一般の他人」を指す場合もあります。
特定の他人に対しても、複数の他人に対しても用いることができる言葉です。
「他者」の使い方
「自分以外の誰か」を指すときに「他者」という言葉が用いられます。
「他の人」という意味なので、動物などには用いられず、人に対してのみ用いる語です。
「他人」と同じ意味の言葉ですが、哲学分野では「自己」と対比して用いられます。
この場合は、「自己に対して他にあるもの」という意味になります。
しかし通常用いられる場合は、「他人」「他の人」という意味で理解すれば問題ないでしょう。
「他者」を使った例文
・『他者への思いやりは大切です』
・『彼女は他者には冷たいが、自分の妹にだけはとても優しかった』
・『他者の意見に左右されず、自分の意見を持ち続けることが時には必要となってくる』
・『他者になりきって物語を執筆した』
・『彼女は長い間、他者に興味を持つことができませんでした。そのことが彼女を孤独にさせていました』
・『その子どもは身内以外の他者をとても怖がった』
「他者」の類語
「他者」の類語は「他人」(たにん)です。
「他人」とは、「自分以外の他の人」という意味です。
また、「他者」を敬って言う場合、「人様」(ひとさま)という語が使われることがあります。
「人様」は特定の他人よりも複数の他人を指して言う語です。
「世間の人」や「他人一般」という意味を持ちます。
「人様」に似た言葉としては、「よそ様」(よそさま)が挙げられます。
これも「他者」の類語としてよいでしょう。
「他者」の対義語
「他者」の対義語は「自分」(じぶん)や「自己」(じこ)です。
これらは「私」のことです。
「他人でなく、己」です。
「他社」の意味
続いて「他社」の意味を説明します。
「他社」は「他の社」と書くように、一般的には「他の会社」という意味です。
「自社以外の会社」ということです。
ただし神社が「他社」という語を用いた場合は、「他の神社」という意味になることがあるので、文脈によって判断が必要です。
しかし通常用いられた場合、「他の会社」という意味で受け取って問題ありません。
「他社」の使い方
「他社」は「自社以外の他の会社」を指すときに用いる言葉です。
敬語ではないので、用いる場面には気を付けましょう。
「他社」を敬って使いたい場合は、「様」を付けて「他社様」と用いることがあります。
「他社」を使った例文
・『今日は他社から見学のお客様がいらっしゃいます』
・『他社の様子を見て、我が社も動向を決定しようと思う』
・『今回の売り上げは他社に負けてしまった』
・『彼は他社に引き抜かれ、ぐんぐんと成績を上げた』
・『悔しいが、ある他社の生産技術は素晴らしかった。弊社も見習わなければ生き残れないだろう』
・『他社の工場はその国から撤退したが、うちの会社は未だにその国に工場を所有している』
「他社」の類語
「他社」の類語は「他企業」(たきぎょう)です。
「他の企業」という意味です。
「企業」とは「営利目的の、経済活動を営む組織」のことです。
「他社」の対義語
「他社」の対義語は「自社」(じしゃ)です。
「自社」は、「自分の会社」という意味です。
「自社」をへりくだっていう場合、「弊社」(へいしゃ)という語が使われます。
まとめ
「他者」と「他社」の違いについてまとめました。
「他者」とは「他人のこと」です。
「他社」とは「他の会社のこと」です。