「想定」と「想像」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「想定」と「想像」の違い生活・教育

この記事では、「想定」「想像」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「想定」と「想像」の違い

「想定」とは、ある条件や状態を仮につくって定めることです。

「想像」とは、実際には存在していないものや、経験したことがない事柄を、頭の中に思い描くことです。

どちらの言葉も、今現在実際には起こっていないことを作りだしている点が共通していますが、意味は違います。

「想定」の場合は、条件や状態などを仮につくり出すことであり、結果がどうなるか考えるために起こりうることを考えることです。

「想像」の場合は、経験したことがない事柄、実際には存在しないものを頭の中でつくり出すことで、結果がどうなるのかに関係なくつくり出されるものです。

たとえば、火災のことで考えてみます。

火災が起こると煙が立ち込め、煙によって視界が悪くなり、煙を大量に吸い込んでしまえば、意識を失ってしまう可能性があります。

こういった起こるであろうことを考えることが「想定」です。

「火災を想定して避難訓練をする」といったように、「想定」したことをもとに何らかの行動を導きだしていくことがあります。

森林火災が起こったときには、その森林に暮らす野生動物たちが逃げ出すことでしょう。

もしも自分がその場にいたら、熱くてつらいかもしれません。

これらは実際に起こっているわけではなく、経験したこともなく、頭の中で考え出されたことです。

頭の中で考えだされるものが「想像」です。

こういったことを考えて、そして行動に移そうという意味は含まれていません。


「想定」と「想像」の使い方の違い

条件や状態を仮につくり出すことに「想定」を使用します。

「マラソン大会本番を想定して練習する」のような使い方です。

経験したことがない事柄、実際には存在しないものを、頭の中でつくり出すことに「想像」を使用します。

「羽で空を飛んでいる自分を想像する」のように非現実的なことにも、「江戸時代の生活を想像する」のように現実的なことにも使用できます。


「想定」と「想像」の英語表記の違い

「想定」は英語で“assumption”と表現をします。

「想像」は英語で“imagination”“fancy”と表現をします。

「想定」の意味

「想定」とは、ある条件や状態を仮につくり出して定めることです。

地震がどういったものなのかわからなかったり、経験をしたことがなかったりすれば、実際に地震があったときにどのような行動をすればいいのかわかりません。

そこで、地震訓練というものが行われています。

これは、地震が起こったという状態を仮につくり出して行う訓練です。

このように、条件や状態を仮につくり出して定めることが「想定」です。

「想定」の使い方

今は実際に起こっていない条件や状態を仮につくり出して定めることに使用をします。

結果がどうなるのか考えるために、仮に考えることをいいます。

「想定」を使った例文

・『プールで人がおぼれたことを想定して訓練する』
・『イベントにこんなにも多くの人がやって来るとは想定していなかった』
・『持ち帰りを想定して作られた料理』
・『水に塗れることを想定して防水性を高めている』

「想定」の類語

「仮定」「設定」が類語です。

「仮定」には、未定のこと、不確かなことを仮に定めるという意味があります。

「設定」とは、ある条件や状態をつくり定めることです。

「想定」の対義語

「想定」とは仮につくり出したものです。

仮ではない意味で「現実」が対義語になります。

「想像」の意味

「想像」とは、経験したことがない事柄や実際には存在しないものを、頭の中に思い描くことです。

人間がほうきに乗って空を飛ぶことは、今の技術ではありえません。

しかし、頭の中にはつくり出すことができます。

こういった頭の中でつくり出されるものが「想像」です。

実際には起こりえないことだけでなく、実際にはあるけれど経験したことがないことを頭の中に描く意味もあります。

たとえば、江戸時代は実際に存在していた時代です。

しかし、現代に生きる私たちは江戸時代の生活を経験することはできません。

経験はできませんが、どういった生活をしていたのか、頭の中に描くことはできます。

こういったことも「想像」といいます。

「想像」の使い方

経験したことがないこと、現実にはないことを、頭の中に描くことを指して使用します。

「老後を想像する」のように現実になりそうなことを頭の中につくり出すことにも、「ねこまたの姿を想像する」のように現実にはないことを頭の中につくり出すことにも使用できます。

「想像」を使った例文

・『見た目からは想像できない味』
・『有名人になったことを想像してみる』
・『10年前の自分には想像できなかった現実』
・『想像していた通りだ』

「想像」の類語

「空想」が類語です。

現実にはないようなことを頭の中に思い描くことです。

「想像」の対義語

「現実」が対義語です。

まとめ

「想定」は仮につくり定めること、「想像」は頭の中に描くことで、意味の違う言葉です。