この記事では、「しっぽり」と「しっとり」の違いを分かりやすく説明していきます。
「しっぽり」とは?
「しっぽり」には3つの意味があります。
1つめは、水などがついて十分に湿りけを含むさまです。
わずかに湿りけを含んだ状態ではなく、十分なさまを指します。
たとえば、しとしと降る雨でぬれた植物などが凝れの状態にあたります。
大雨が降ると植物や土壌は十分に濡れますが、このさまを指して「しっぽり」とはあまりいいません。
2つめは、男女の愛情の心のこもっているさまです。
3つめは、慌てることなく静かなさまです。
しみじみといったさまを指します。
「しっぽり」の使い方
水分などがついて十分に湿りけを含むさまを指す場合には、湿りけの程度が十分である場合に使用をします。
表面だけ軽く湿っている場合はいいません。
慌てることなく静かなさまという意味では、一人でお酒を飲んでるときのさまや、一人で旅館でしみじみとしているさまを指して使われることがあります。
大勢が集まるとわいわいと騒がしくなることが多いため、一人で何かをしたときの静かなさまを指す場合が多いです。
「しっとり」とは?
「しっとり」には2つの意味があります。
ひとつは、軽く水分などがついて湿り気が行きわたっているさまです。
霧雨が降った後の苔がこの状態になります。
べちゃべちゃと濡れているのではなく、軽く濡れた状態です。
クッキーでも、この言葉が指す状態のものがあります。
パリパリやパサパサとしているものではなく、バターなどの油分が十分に行き渡っているものは「しっとり」とした食感です。
もう一つの意味は、慌てることがなく静かで、好ましい趣のあるさまです。
和服を着て上品に歩く女性の姿は、この言葉が指すものにあてはまります。
和服を着ているときには、バタバタと歩くことはできません。
その歩き方は静かで、たたずまいからは好ましい趣を感じられます。
「しっとり」の使い方
軽く湿っているさまを指して使用することが多いです。
食べものの食感、肌の状態などに使われることが多くあります。
「しっぽり」と「しっとり」の違い
湿っているさまという意味が似ていますが、前者は十分に湿りけを含むさま、後者は軽く湿りけを含んで行きわたっているさまで、やや違いがあります。
どちらにも落ち着いて静かなさまの意味があり、この意味ではほぼ同じですが、後者には好ましい趣を感じられるという意味も含まれています。
「しっぽり」の例文
・『しっぽりと一人で飲む』
・『しっぽりと濡れる』
・『宿でしっぽりとする』
・『しっぽりと食事をする』
「しっとり」の例文
・『外はかりっと、中はしっとり』
・『しっとり濃厚なガトーショコラ』
・『しっとりとしたクッションファンデーション』
・『しっとりとした肌』
まとめ
湿りけを含むさまの意味では、程度に違いがあります。
慌てることなく静かなさまの意味ではほぼ同じです。