この記事では、「憧れ」と「羨ましい」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「憧れ」と「羨ましい」の違い
「憧れ」は、あこがれること、理想とするものに強く心をひかれることです。
「羨ましい」は、自分もそうでありたいという強い気持ちのことです。
「羨ましい」には、そうでありたいという気持ちだけでなく、ねたみの気持ちも含まれています。
それに対し、「憧れ」にはねたみの気持ちは含まれていません。
「理想」とは、心に描いて求め続けるものという意味があり、「憧れ」にはそうでありたい気持ちも含まれていることになります。
そうでありたいという気持ちを含む点では「羨ましい」と同じです。
「憧れ」と「羨ましい」の使い方の違い
強く心をひかれることに「憧れ」を使用します。
他人の状態や能力をみて、そうでありたいという気持ちが強いことには「羨ましい」を使用します。
芸能人に「憧れる」人は少なくないようです。
「憧れ」を抱く芸能人に強く心をひかれて、あんなふうになりたいという感情を持っている状態です。
「羨ましい」というと、その気持ちを抱く芸能人のようになりたいという感情とともに、ねたみの感情も持っていることになります。
また、「羨ましい」は他人の様子をみて現れる気持ちですが、「憧れ」は人以外にも場所や物などにも使用されます。
「憧れ」と「羨ましい」の英語表記の違い
「憧れ」は英語で“admiration”や“adoration”と表記をします。
「羨ましい」は英語で“enviable”や“envious”と表記をします。
「憧れ」の意味
「憧れ」とは、憧れること、理想とする物事に強く心をひきよせられることです。
その対象に対して、そうあって欲しい、自分もそんなふうになりたいという気持ちを含んでいます。
フィンランドに住みたい、フィンランドに一度でいいから行ってみたい、こういった気持ちはフィンランドに強く心をひかれているといえ、フィンランドに「憧れ」ているといえます。
このように、人だけでなく場所や物に対する気持ちの意味もあります。
また、「憧れ」は好きとは違う意味で、対象とするものは理想を抱くものです。
「憧れ」の使い方
強く心をひかれるものに対して使用をします。
「芸能人の○○さんに憧れている」という場合、自分もそのように近づけたらいいなという気持ちがあり、芸能人の○○さんに強く心が引きつけられている意味を持っています。
その人のことをいいなとは感じていても、ねたみの気持ちは含まれていません。
「憧れ」を使った例文
・『○○さんに憧れて英語を学びはじめる』
・『先輩に憧れて○○学校に入ることにしました』
・『どんなに年限が経っても憧れの気持ちは変わりません』
・『憧れの人との握手が叶った』
「憧れ」の類語
「憧憬」が類語です。
「しょうけい」または「どうけい」と読みます。
あこがれの気持ちという意味です。
「憧れ」の対義語
「幻滅」が対義語です。
理想として美化していたものの現実を知って、がっかりすることです。
「羨ましい」の意味
「羨ましい」とは、他人の状態や能力をみて、自分もそうでありたいと思うことです。
また、ねたみの気持ちのことです。
隣の家の人は、高級車といわれる車にのっています。
この様子をみて、自分もそうでありたいと思うとともに、隣の家の人にねたみの気持ちも持ちました。
こういったことが「羨ましい」です。
「ねたみ」には嫉妬という意味があり、「嫉妬」には自分よりも優れている人をうらやみねたむことといい意味があります。
「羨ましい」はねたみの感情を持っているものの、悪意は強くありません。
ねたみの気持ちよりも、自分もそうでありたいという気持ちを強く持っている意味の言葉です。
「羨ましい」の使い方
他人の状態や能力を見て、そうでありたいと思う気持ちや、ねたみの気持ちを指して使用します。
兄弟がいない人にとっては、兄弟が多い人のことを「羨ましい」と感じることがあるそうです。
自分も兄弟が欲しいという気持ちを抱いている意味になります。
人の状態や能力を見て抱く気持ちのことで、物に対しては使用しません。
「高級車が羨ましい」という場合、車に対して「羨ましい」という気持ちを持っているのではなく、それを所有する人に対して「羨ましい」という気持ちを持っていることになります。
「羨ましい」を使った例文
・『あんなに身長が高くて羨ましい』
・『羨ましいなんてこれっぽっちも思っていません』
・『本当に羨ましいと多くの人から声が寄せられた』
・『スタイルがよくて羨ましい』
「羨ましい」の類語
「妬ましい」が類語です。
「妬ましい」には、うらやましくて憎らしいという意味があります。
「羨ましい」の対義語
「幻滅」が対義語です。
まとめ
「羨ましい」はねたみの気持ちがあり、「憧れ」は強く心がひかれることで、ねたみの気持ちはない点が大きな違いです。