「習熟」と「理解」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「習熟」と「理解」の違い生活・教育

この記事では、「習熟」「理解」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「習熟」と「理解」の違い

「習熟」には、練習を重ねて上手になること、熟達という意味があります。

「理解」には、2つの意味があります。

1つめは、物事の道理や筋道がわかること、意味や内容をのみ込むことです。

もう一つは、他人の気持ちや立場を推し量ってしることです。

「習熟」は上手になること、「理解」は意味や内容などを筋道立てて論理的にのみ込むことで、意味が全く違います。

たとえば、最初は補助輪なしで自転車に乗ることができなかったけれど、何度も練習をすれば乗れるようになります。

そして、上手に乗ることができれば「習熟」といえます。

自転車に乗れるようになったのは、自転車に乗るためにはどうすればよいのか論理的に考えてのことではなく、練習の成果です。

自転車について意味や内容をのみ込んで乗れるようになったのではないので、「理解」とはいいません。


「習熟」と「理解」の使い方の違い

練習をして、そのことに十分になれて、上手になることに「習熟」を使用します。

「ドイツ語に習熟する」のような使い方です。

物事を筋道立てて論理的にのみ込むことに「理解」を使用します。

「先生の話を理解する」のような使い方です。

また、「理解」は他人の気持ちや立場を推し量って知る意味もあり、「気持ちを理解する」のような使い方をします。


「習熟」と「理解」の英語表記の違い

「習熟」は英語で“skilled”“experienced”と表現をします。

「理解」は英語で“understanding”“comprehension”と表現をします。

「習熟」の意味

「習熟」には、練習を重ねて上手になること、熟達という意味があります。

上手とは、物事のやり方が巧みで手際がよいことです。

日本に住んでいて、両親が日本人の人は、学校などで習わない限り、英語を理解することは難しいでしょう。

最初は英語を聞いても何を言っているのかわからなくても、英語の勉強をすればだんだんととわかってくるようになります。

そして、海外に言って英語で会話できるほどにもなることでしょう。

これは、練習をすることで英語が上手になったといえます。

このようなことが「習熟」です。

単に上手であるという意味ではなく、そのことに慣れて、そして上手になるという意味があります。

「習熟」の使い方

練習をして慣れることで、やり方が巧みで手際がよい状態になることに「習熟」を使用します。

「~に習熟」するといった形で使われることが多いです。

たとえば、「料理に習熟する」のような使い方です。

「習熟」を使った例文

・『習熟度に応じてクラス分けをする』
・『経験を積むことで手術に習熟する』
・『計算は基本的なことは習熟している』
・『仕事に習熟しており、そのことが評価されて抜擢された』

「習熟」の類語

「上達」「熟練」「熟達」が類語です。

「上達」は技術などが身について進歩することです。

「熟練」には、物事になれて手際よく上手にできることという意味があります。

「熟達」は物事になれて手際よくできるようになり、進歩することです。

「習熟」の対義語

「未熟」が対義語です。

学問や技術などの練習や経験が十分でないことという意味があります。

「理解」の意味

「理解」には、2つの意味があります。

1つめは、物事を筋道立てて論理的にのみ込むこと、意味や内容をのみ込むことです。

「ニンジンを短冊切りにして、沸騰したお湯でゆでる」という文章があります。

短冊切りとなどのようなものなのか、沸騰した湯とはどのような状態なのか、ゆでるとはどのような作業なのかなどを、のみ込むことができた状態が「理解」です。

短冊切りや沸騰などの言葉がわからないようなら、「理解」できているとはいえません。

もう一つの意味は、他人の気持ちや立場を推し量って知ることです。

色覚異常があると、赤と緑を区別しにくいなどの症状がみられます。

赤と緑を区別できないのは、色覚異常があるからだと相手の立場などを察し、意に沿うようにすることが「理解」です。

なぜ区別できないのかわからない、相手の立場などを考えられない場合は、「理解」しているとはいえません。

「理解」の使い方

意味や内容をのみ込む意味では、「話を理解する」のような使い方をします。

他人の気持ちや立場などを察する意味では、「彼の気持ちを理解する」のような使い方をします。

「理解」を使った例文

・『多くの人から理解を得ることができた』
・『説明が難しすぎて理解できない』
・『それを行うことのリスクを理解する』
・『理解に時間がかかる』

「理解」の類語

「わかる」が類語です。

意味や区別がはっきりする、判明するといった意味があります。

「理解」の対義語

「無理解」が対義語です。

「無」には、ないという意味があります。

まとめ

「習熟」は練習をして上手になること、「理解」は意味や内容をのみ込むこと、気持ちや立場を察することです。

意味が違う言葉です。