この記事では、「周知」と「通知」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「周知」と「通知」の違い
「周知」とは、世間の多くに知れわたっていること、また広く知らせることです。
「通知」とは、ある事柄を伝えて知らせることです。
どちらの言葉にも、知らせることといいう意味がありますが、同じことを指しているのではありません。
「周知」は世間の多くの人に知れわたっていること、知らせることです。
広く全体に共通して行きわたっていることや、行きわたらせることをいいます。
「通知」は知られているという意味ではなく、知らせるという意味です。
そして、世間一般に知らせることではなく、特定の1人や数人程度に知らせることを指しています。
「周知」と「通知」の使い方の違い
世間の広い範囲に知らせること、知られていることに「周知」を使用します。
特定の誰かだけなど、知らせることや知られていることの範囲が狭い場合には、使用しません。
「通知」は知らせることという意味で使用をします。
知られているではありません。
また「周知」よりも狭い範囲に知らせることです。
「周知」と「通知」の英語表記の違い
「周知」は英語で“well known”や“widely known”と表現をします。
「通知」は英語で“notice”と表現をします。
「周知」の意味
「周知」とは、世間一般に知れわたっていること、知らせることです。
あおり運転は危険な行為です。
交通事故を起こして怪我をすることがあり、最悪の場合は死に至る危険もあります。
あおり運転をしている本人だけでなく、周りの人にも危険は及びます。
警察庁では、あおり運転の危険性や悪質性を広く知らせるための活動を行っています。
特定の誰かだけでなく、世間の多くの人に対して行っている活動です。
このような世間の広い範囲にわたって知らせることが「周知」です。
「周知」には、広く知らせることだけでなく、知れわたっている意味もあります。
日本では車は左側を走るルールがあります。
これは日本の世間一般に広く知られていることです。
運転をしている人だけなど、限られた人にだけしか知られていないことではありません。
このような世間の広い範囲にわたって知られていることも「周知」といいます。
「周知」の使い方
世間の広い範囲にわたって知らせることや、知られていることを指して使用します。
政府の方針などはニュースでも伝えられ、世間の多くに知らされます。
これは「周知」といえます。
請求書が自宅に届いて請求金額が知らされたのように、特定の誰かだけに知らせること、知られていることには使用しません。
「周知」を使った例文
・『それは周知の事実だと思っていた』
・『事故防止について周知させる』
・『新聞やCMを通して周知させる』
・『はり紙を使って周知する店舗が多い』
「周知」の類語
「広く知らせる」が類語です。
「周知」の対義語
「秘匿」が対義語です。
秘密にして隠しておくという意味があります。
「通知」の意味
「通知」とは、告げて知らせることや、その知らせのことです。
電力会社と契約をしている家なら、毎月電気料金の請求書や電気使用量のお知らせが届くことでしょう。
請求書やお知らせの紙は、電気料金や電気使用量を告げるためのもので、電気料金や電気使用量を知らせてくれているので、「通知」といいます。
小中高生のころには、通知表というものがあったはずです。
これは、学生の成績や行動状況などを記したもので、主に家族に知らせるためのものです。
告げて知らせるためのものなので、「通知」という言葉が使われています。
「通知」の使い方
告げて知らせること、その知らせのことを指して使用をします。
公の立場からの知らせにも、個人的な知らせにも使用可能です。
たとえば、「市役所から通知が届いた」といった場合は、公の立場からの知らせになります。
「退院の通知をする」などは個人の知らせになります。
「通知」を使った例文
・『試験に合格したことが通知された』
・『メールや電話での通知は行っていません』
・『通知なしに行うことはありません』
・『このようにしてくださいと通知があった』
「通知」の類語
「知らせ」「案内」「通告」「通達」が類語です。
「知らせ」は「通知」と意味は同じです。
一般的に使われています。
「案内」には、事情や様子を伝えるという意味があります。
よいことを伝える意味で使われることが多いです。
「通告」には、公に決まったことや意向を伝えることの意味があります。
「通達」は「通知」とほぼ同じ意味ですが、役所からのものを指していう場合が多いです。
「通知」の対義語
「秘匿」が対義語です。
まとめ
知らせるという点では意味は似ていますが、まったく同じことを意味しているのではなく、2つの言葉では知られる範囲が違います。