同じことを言う場合、地方によって言い方が変わるのは面白い点です。
今回はある一般的な病気を例にとりそれぞれについてご紹介致します。
この記事では「ものもらい」と「めばちこ」と「めいぼ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ものもらい」とは
まずこの言葉は『麦粒腫』(ばくりゅうしゅ)や『霰粒腫』(さんりゅうしゅ)という言葉の一般的な呼び方です。
日本で一番使われている表現でもあります。
『麦粒腫』とはまぶたやまつ毛の根もとの皮脂腺に黄色ブドウ球菌が感染して赤くはれて痛む病気です。
また『霰粒腫』とは『麦粒腫』に非常によく似ていますが、マイボーム線がなんらかの理由で詰まり、分泌物が固まり炎症を起こしているもので、痛みは比較的少ないと言われています。
『ものもらい』の由来については諸説あり、一般的に伝えられているのは『だれかからものをもらうと治癒する』というものがあります。
地方によっては、ものもらいを患った人に何か食べ物を挙げたり、お地蔵様に備えられたものを頂くと治るという民間療法がいまも細々と伝えられてもいます。
「めばちこ」とは
これも『麦粒腫と霰粒腫』を指す言葉ですが、『近畿地方でよく使われる方言』というのが大きなポイントになっています。
関西系の有名人などがたまにテレビなどで『めばちこ』と言っているのを聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
由来についてはこれも所説ありますが、よく言われているのは『目がこじきになる』というものや『気になってしまい目をばちこんばちこん(ぱちぱち)するから』というものがあります。
今でも関西では多くの方が年齢層問わず使っているので、関西で『ものもらい』というと一瞬首を傾げられることもある面白い方言です。
「めいぼ」とは
これも同じく『麦粒腫や霰粒腫』を表す言葉ですが、これは『京都』でよく使われている方言というのが特徴です。
由来は麦粒腫や霰粒腫の特徴的なまぶたにぽっこりといぼができてしまうことから『目』と『いぼ』が一緒になった言葉であるといわれています。
こう説明されれば非常にわかりやすい方言ではないでしょうか。
面白いのはこれが東側に伝播し、姿を変えて三重県では『めぼ』といったりなど様々な方言に形を変えている点です。
「ものもらい」と「めばちこ」と「めいぼ」の違い
それぞれ『日本で一般的に使われている麦粒腫、霰粒腫の呼び方』、『近畿地方で一般的な呼び方』、『京都で一般的な呼び方』という違いをつけることができます。
『めいぼ』が理論的で納得できる呼び方ではありますが、『ものもらい』という民間療法が由来になっている言葉が一番広く使われているというのは面白い言葉の伝わり方ではないでしょうか。
まとめ
如何でしたでしょうか。
今回は麦粒腫と霰粒腫の呼び方についてみていきましたが、まだまだたくさんの呼び方が存在します。
例えば『めっぱ』や『めんぼう』などの『めばちこ』の変形や『ばか』や『おひめさん』などの面白い言い方もあります。
是非調べてみてください。