「既存」「在来」「従来」という3つの言葉は、さまざまな場面で目にする言葉ばかりです。
意味はどれも似ていますが、漢字や読みも違うのでもちろん違う意味もあります。
この記事では、「既存」と「存来」と「従来」の違いを分かりやすく説明していきます。
「既存」とは?
「既存」は「きそん」や「きぞん」という読み方があり、漢字の通り「既に存在している」といった意味合いがあります。
正しい読み方は「きそん」なので、この機会に覚えておきましょう。
辞書やインターネットの辞書では、「以前からあるもの(こと)」や「以前から存在しているもの(こと)」などと書かれていることも多く、言い回しが異なっているだけで意味合いは同じです。
「既存」の例文
・『既存の書類の中から、新しい企画の参考になるものを探している』
・『予算が限られているので、既存のもので対応できるように検討している』
「在来」とは?
「在来」は「ざいらい」という読みで、「今まで通り」「もとまま」という意味合いや「もとからあるもの(こと)」「もとから存在するもの(こと)」といった意味合いがあります。
「めずらしくないこと」や「ありふれていること」という意味でも使用されています。
「在来」の例文
・『私は移動するための手段として在来線を利用しています』
・『この池には在来種よりも外来種の魚が多く生息していることが今回の調査でわかった』
「従来」とは?
「従来」は「じゅうらい」という読みで、「以前より」「もとより」というような意味合いで使用されることが多く、「前から今まで」や「以前から今まで」、「これまで」といった意味もあります。
「従来」の例文
・『インターネットからの申し込みを開始しましたが、従来通り指定の申し込み書での受付も行っています』
・『今回新発売した掃除機は、従来モデルに加えて新機能を搭載しました』
「既存」と「在来」と「従来」の違い
「既存」「在来」「従来」という3つの言葉はどれも似通った意味合いの言葉で、異なる点と言えば「既存」は本やデータ、商品、部品などに使われており、「在来」は鉄道や設備、電化製品や電話などの機種に使われています。
「従来」は人の考え方や人や地域の習慣、さまざまな事柄に対する方法などを対象にして使われている言葉です。
3つの言葉が使用されている熟語などを考えると、どの言葉がどんな関連の言葉に使用されているのかも判断しやすくなります。
それぞれに対象とするものが異なり、意味合いは同じでも対象とするものやシチュエーションに合わせて使い分けをしないと、不自然な言葉になっていまいますので注意しましょう。
まとめ
ここでは「既存」「在来」「従来」という3つの言葉について、意味や違いについて例文を参考にしながら説明してきました。
それぞれの言葉がどんな場面に適しているかを正しく判断し、相手に正確に意味が伝わるように会話や文章に取り入れていきましょう。