「素因数分解」と「因数分解」ですが、学生の頃に習ったはずだけど忘れてしまった方や違いがハッキリ分からないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、「素因数分解」と「因数分解」の違いを分かりやすく説明していきます。
「素因数分解(そいんすうぶんかい)」とは?
「素因数分解」とは「自然数」を「素数」の積に分解することを意味します。
ここでは分かりやすく、「積に分解すること」とは「かけ算の式に直す」と解釈しても良いでしょう。
「自然数」とは、定義により若干の違いはありますが、1、2、3・・・などの「正の整数」を意味します。
逆に-1、-2、-3・・・のように0より小さいマイナス数は「負の数」となります。
「素数」とは、1、2、3、5、7、11、13、17、19、・・・のように「その数でしか割ることができない数」のことです(例として、3は3以外の数字で割ることはできない)。
「因数」とは、かけ算の数式に含まれる数や文字式のことを意味します。
例として、2×8=16の数式の場合、「因数」は2と8です。
(x+5)(x-7)の数式の場合、「因数」は(x+5)と(x-7)です。
話は戻りますが、「素因数分解」は「自然数」を「素数」のかけ算の式に直すことと説明しました。
例として、120という「自然数」を「素因数分解」した場合、答えは「23×3×5」となります。
「素因数分解」の解き方は「対象の自然数」が「素数」で割りきれなくなるまで1を除く小さい「素数」から順に割っていきます。
最後に、残った「素数」と割り算に使った「素数」をかけ算に直せば「素因数分解」の完了です。
これを踏まえてもう一度、120を「素因数分解」していきます。
まず、120を素数2で割っていきます(120÷2=60 →60÷2=30 →30÷2=15)。
15は2で割れないので、2の次に大きい素数3で割っていきます(15÷3=5)。
素数5が算出されたので、最後に割り算に使った素数(2は3回使用、3は1回使用)とかけ算の式に直します。
したがって、答えは「23×3×5」となります。
「因数分解(いんすうぶんかい)」とは?
「因数分解」とは「多項式」を積に分解すること(=かけ算の式に直すこと)を意味します。
「多項式」とは、「x2+ax+b」や「x2+a」のような「整式」のことです。
「因数分解」には以下の公式があります。
・『x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)』
・『x2+2ax+a2=(x+a)2』
・『x2-2ax+a2=(x-a)2』
・『x2-a2=(x+a)(x-a)』
例として、x2+5x+6という「多項式」を「因数分解」すると、答えは(x+2)(x+3)となります。
x2+10x+25という「多項式」を「因数分解」すると、答えは(x+5)2となります。
「素因数分解」と「因数分解」の違い
「素因数分解」と「因数分解」の違いを、分かりやすく解説します。
・「素因数分解」とは「自然数」を「素数」の積に分解することを意味します。
・「因数分解」とは「多項式」を積に分解することを意味します。
「積に分解する」とは、ここではざっくりと「かけ算の式に直すこと」という解釈で良いでしょう。
まとめ
「素因数分解」と「因数分解」はいずれも何らかの数を積に分解することを意味する用語です。
ただし、解き方のほか、「素因数分解」は「素数」を対象にとり、「因数分解」は「多項式」を対象にとる点で違いがありました。