「凶暴」と「狂暴」と「強暴」の違いとは?分かりやすく解釈

「凶暴」と「狂暴」と「強暴」の違い生活・教育

近寄りたくない暴れ者を指す言葉として「凶暴」「狂暴」「強暴」があります。

これらの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「凶暴」「狂暴」「強暴」の違いについて解説します。

「凶暴」とは?

「凶暴」とは、「凶悪で乱暴な様子」を意味する言葉です。

人を人とも思わないような倫理的な歯止めがないことを「凶悪」といいます。

「凶暴」とは「倫理観を持ち合わせおらず暴れることにためらいのないさま」を指す言葉であり一般的には「後先を考えず無茶をする乱暴な様子」という意味で使われています。

ただ暴力を振るったり者を破壊したりするだけでなく「手加減する様子が一切なく分別もついていないような暴れ方」を指して「凶暴」と表現します。

暴れているものであっても倫理観が残っていれば暴力をふるう相手を選んだりとどめを刺さなかったりなど一定の自制が聞いているものですが「凶暴」とはそのような自制がない恐ろしい様子を表します。


「凶暴」の例文

・『凶暴な獣が街に侵入した』
・『凶暴な人間がデモに参加すれば棒道に発展するのも当然だ』


「狂暴」とは?

「狂暴」とは、「理性を失って暴れまわるさま」という意味の言葉です。

常識的には考えられないほど粗暴で荒々しい様子を指して「狂暴」と表現します。

損得を考えず暴れまわったり自分の不利益を顧みずに破壊して回ったりなど「まともな心を失っているかのように乱暴するさま」「狂暴」です。

興奮状態になって見境が無くなることもありますが、一般的には「アルコールや薬物など精神に異常を引き起こす物質を摂取しまともな精神状態ではない状態で行われる乱暴」を指すときに「狂暴」という表現を用います。

「狂暴」の例文

・『普段はいいやつだがさけを飲むと狂暴になる』
・『麻酔で酩酊状態になったのか、突然狂暴になった』

「強暴」とは

「強暴」とは、「暴力を振りかざして強引な態度に出ること」を意味する言葉です。

「強暴」という表現は主に「脅迫」という意味で使われます。

当ての弱みにつけこんで無理強いするのが脅迫ですが、「強暴」「暴力を背景に被害を受けたくないという気持ちにつけこんで行われる脅迫行為」を指します。

脅迫を伴わない強く荒々しい暴力も「強暴」と表現しますが、一般的には何らかの目的のもとに振るわれる乱暴を指します。

「強暴」の例文

・『政府はテロリストの強暴に屈し要求を受け入れた』
・『強暴で世界を変えようというのは間違った考えである』

「凶暴」と「狂暴」と「強暴」の違い

「凶暴」は乱暴の中でも危険性を強調した表現です。

「狂暴」は乱暴であり話が通じない恐ろしさを意味します。

「強暴」は何らかの目的を伴う暴力を指します。

大きな被害が予想されるのが「凶暴」、平常心を失っているのが「狂暴」、暴力を利用しているのが「強暴」という違いで区別されます。

まとめ

「凶暴」「狂暴」「強暴」はどれも暴力を意味する言葉ですがそれぞれ異なる意味合いで使われます。

日常では余り使う機会のない言葉ですが文章表現としてはきちんとした使い分けが求められます。

それぞれの意味を理解してふさわしい言葉を使いましょう。