同じ文字の入った言葉で「通告」と「宣告」と「勧告」という言葉があります。
同じような場面で使われるイメージがあるこれらの言葉ですが、果たして違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「通告」と「宣告」と「勧告」の違いを分かりやすく説明していきます。
「通告」【つうこく】とは?
「通告」とは、正式に決定された事項や意向を告げ知らせるという意味合いとして使われています。
知らされた相手にとっては都合の悪い知らせであることが多いのですが、すでに正式に決定されてしまったことなので原則としてその知らせには従わなくてはいけません。
公の機関により使われることがほとんどですが、一般的にも使われます。
相手に従ってもらうために「通告」します。
「通告」の例文
・『日頃の職務態度に問題があり、解雇を通告した』
・『戦力外通告を受ける』
「宣告」【せんこく】とは?
「宣告」とは、その人にとって重大な事柄であるであろうことを告げ知らせるといった意味として使われています。
また裁判で判決を言い渡すという意味もあります。
決定されたことというよりは、結果的にそうなってしまったことを伝えるといった意味になります。
「通告」と同じく知らされた相手にとっては都合の悪い知らせであることが多いため、心構えをしてもらうために前もって「宣告」します。
「宣告」の例文
・『医師から余命宣告を受けた』
・『裁判で判決の宣告を受ける』
「勧告」【かんこく】とは?
「勧告」とは、ある行動をとるように説き勧めるといった意味合いとして使われています。
先述の「通告」「宣告」は既に決まった事実を伝えるといった言葉でしたが、「勧告」は間接的に相手に働きかけて相手に行動してもらうという言葉になります。
相手がその行動をとることで事態が好転するといった場合に使われます。
「勧告」の例文
・『辞職勧告を受けたが、辞めるつもりはない』
・『勧告に従って武装解除したことで戦争を避けられた』
「通告」と「宣告」と「勧告」の違い
「通告」と「宣告」と「勧告」と違いについてまとめると次のように説明できます。
「通告」とは「正式に決められたこと告げ知らせる」といった意味になります。
その人にとって都合の悪いことがほとんどです。
「宣告」とは「結果的にそうなってしまったことを告げ知らせる」という意味合いがあります。
その人にとっては重大なことであり心構えが必要なため「宣告」します。
「勧告」とは「相手に働きかけて、ある行動を取ってもらえるように勧める」という意味があります。
事態が好転することを目的に、相手に特定の行動を取ってもらえるように勧めます。
まとめ
「通告」と「宣告」と「勧告」の違いについて紹介してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
どの言葉も相手に知らせるという行為ですが、知らせる内容や知らせる目的などの違いがありました。
これらの違いを理解して上手に使い分けてください。