みなさんは「懸案」と「懸念」と「危惧」という言葉がどのような意味を持っているかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「懸案」と「懸念」と「危惧」の違いを分かりやすく説明していきます。
「懸案」とは?
「懸案」は「けんあん」という読み方になります。
この「懸案」とは「問題とされながらも未だ解決がつかない問題」、あるいは「長らく解決しないままとなっていた問題」や「以前から問題となっていた事柄」といったようなことを意味する言葉です。
「懸案」の例文
ここで「懸案」の例文を見て行くことにいたしましょう。
具体的には以下のような使い方ができます。
・『懸案事項となっていた問題がここにきて大きな障壁となってしまった』
・『懸案となっていた事項が今でも決着がつかないので本当に困っている』
「懸念」とは?
「懸念」は「けねん」という読み方になります。
この「懸念」とは「気になって不安になること」、あるいは「気になった事柄が心から離れない状態のこと」や「気がかりに思うこと」「心配すること」などの意味を持っている言葉です。
その一方で 「仏教用語として「一点に思いを集中させること」という意味合いでも使われているのですが、 一般的には「消極的な事柄に対する不安・問題が解決されていないことに対して心配する」という解釈になるのです。
「懸念」の例文
続いて「懸念」の例文を見て行くことにいたしましょう。
・『計画が正式に決まったのですが、先行きを懸念する向きもあります』
・『リコールの対処が落ち着いたように見えるのだが、安全性に懸念を抱いています』
「危惧」とは
「危惧」は「きぐ」という読み方になります。
この「危惧」とは「悪い結果になりはしないかと心配し恐れること」や「危ぶみ恐れること」という意味を持っている言葉です。
「危惧」の例文
ここで「危惧」の使い方を見て行きましょう。
この言葉の例文としては以下のようなものがあります。
・『周りの人たちは喜んでいるが、危惧の念を抱いているのは私だけだろうか?』
・『息子がやっと就職したが、本当にやっていけるのかと前途を危惧しています』
「懸案」と「懸念」と「危惧」の違い
では、ここで「懸案」と「懸念」と「危惧」の違いを見て行くことにいたしましょう。
どのような違いがあるのでしょうか?前述のように「懸案」は「問題とされながらまだ解決がつかない問題」や「長らく解決しないままとなっていた問題」「以前から問題となっていた事柄」という意味があります。
「懸念」には「気になって不安になること」「気になった事柄が心から離れない状態のこと」を指しており、「危惧」は「悪い結果になりはしないかと心配し恐れること」を意味しています。
これらの言葉の解釈を整理していくと「懸案」は「解決を迫られながらも解決していない事柄・問題」を意味しますが、堅い印象のある言葉で日常会話では使用することがあまりありません。
「懸念」は「気にかかって不安に思うこと」「まだ起きてない出来事に対して心配をする」時に使われますが、フォーマルな言葉でビジネスシーンで使われることが多い言葉と言っていいでしょう。
「危惧」は「危ぶみ恐れること」「まだ起きていない出来事に対しての成り行きを心配して恐れること」であり「懸念」よりも具体的で危機感の強いニュアンスがあります。
まとめ
ここまで「懸案」と「懸念」と「危惧」の意味と違いを説明してきまいたが、適切に使い分けることができるようにしっかりとチェックしておきましょう。