文章の途中に挿入されて接続的に使われる言葉の中に「関わらず」と「拘らず」と「係わらず」という表現があります。
果たしてこれらの表現にはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「関わらず」と「拘らず」と「係わらず」の違いを分かりやすく説明していきます。
「関わらず」【かかわらず】とは?
まず「関わる」とは、関係しているということを意味します。
ですから「関わらず」とは、関係なくという意味合いになります。
〇〇に関わらずとは、〇〇に関係なく、といったことになります。
何も言わなければ関係していると思われていそうなことに使われる言葉です。
「関わらず」の例文
・『海外への渡航経験の有無に関わらず検査している』
・『実務経験の有無に関わらず、この資格試験は受けられます』
「拘らず」【かかわらず】とは?
まず「拘る」とは、こだわるとか気持ちが何かにとらわれていることを意味する言葉です。
ですから「拘らず」とは、こだわらないでとかとらわれないでといった意味合いになります。
〇〇に拘らずとは、〇〇にこだわらないでといったことになります。
類語表現としては、〇〇なのに、といった言いかえもできます。
「拘らず」の例文
・『寝ずに勉強したにも拘らずテストの点数はさんざんだった』
・『彼は他部署にも拘らずうちの部署のほうにも口出しをしてくる』
「係わらず」【かかわらず】とは?
まず「係わる」とは、自発的に関係を持つという意味ですので、「係わらず」とは、あえて関係を持たないでといった意味合いになります。
〇〇に係わらずとは、〇〇とあえて関係を持たないでといったことになります。
先述の「関わらず」と違いが難しいかもしれませんか、「関わらず」は自然に関与してしまっているようなものに対して使われる言葉で、「係わらず」はあえて関係を持とうとしなければ関与しないといったものに使われる言葉です。
「係わらず」の例文
・『その部族は現代社会と係わらず独自の文化を築いている』
・『親戚と一切係わらず生きて行くと決めた』
「関わらず」と「拘らず」と「係わらず」の違い
「関わらず」と「拘らず」と「係わらず」の違いについてまとめると次のようになります。
「関わらず」とは、「関係なく」といった意味合いになります。
自然に関与してしまっているものに対して使われる言葉です。
「拘らず」とは、「こだわりを持たずに」といった意味合いです。
〇〇なのに、という言い換えができます。
「係わらず」とは、「あえて関係を持たずに」といった意味合いになります。
自発的に関係を持とうとしない限り関与しないようなものに使われる言葉です。
まとめ
「関わらず」と「拘らず」と「係わらず」の違いについて述べてきましたがご理解いただけましたでしょうか。
どのように使い分けをするかは前後の文章を見て判断する必要があります。
ニュアンス的な表現で違いが難しいところもありますが、この記事を読むことで理解いただけると嬉しいです。