この記事では、「家業」と「自営業」と「稼業」の違いを分かりやすく説明していきます。
「家業」とは?
2つの意味があります。
ひとつは、その家が生計を維持するために行っている職業のことです。
多くは自分の力で事業を営んでいるものをいいます。
会社に雇われているもののことではありません。
鈴木さん一家のことで説明をします。
鈴木さんのお父さんとお母さんは、和菓子店で働いています。
この店は鈴木さんが作りました。
和菓子作りの勉強をして、店舗を探して、機材を揃えて、店を始めたのです。
鈴木さんに一家にとっては、この和菓子店が「家業」になります。
もう一つの意味は、先祖から何代も続いている職業です。
先の例の鈴木さんは、その店をお父さんとお母さんの代で作っており、先祖から続いているものではありません。
太郎さんのことで説明をします。
太郎さんのひいおじいさんは表具店をしていました。
ひいおじいさんの子ども、つまり太郎さんのおじいさんは、ひいおじいさんがやっていた表具店を継ぎました。
そして、その子ども、つまり太郎さんのお父さんも表具店を継ぎました。
そして、太郎さんはお父さんから店を継いで表具店で働いています。
このように代々と伝わるものをこの言葉は意味しています。
「家業」の例文
・『家業が楽しい』
・『家業について学ぶ』
「自営業」とは?
会社に雇われている身ではなく、法人を設立しているのでもない、生計を維持するための職業を個人で営んでいる人による事業のことです。
個人がやっているもので、集団で行っているものではありません。
店を持っている場合、店の数は問いません。
先の例の鈴木さんは、会社に雇われているのではなく、法人を設立しておらず、個人で和菓子店をやっています。
そのため、鈴木さんは「自営業」をしていることになります。
「自営業」の例文
・『自営業をやっている』
・『自営業を始めることにした』
「稼業」とは
生計を維持するための職業のことです。
人間は食べものがなければ生きていくことができません。
食べものを得るためには金銭が必要で、金銭を得るために働きます。
その仕事が生計を維持するための職業です。
この言葉は、一般的には会社に雇われていないものの職業をいいます。
小説を書いていて、その他ことはせずに生活をしている人は、小説を書くことが職業です。
この人は「小説家を稼業としている」ということができます。
「稼業」の例文
・『稼業に勤しむ』
・『探偵を稼業としている』
「家業」と「自営業」と「稼業」の違い
「家業」は家の職業のことです。
「家」という意味が含まれます。
「自営業」は職業を個人でやっていることです。
「個人」という意味が含まれます。
「稼業」は人間が生きていくために必要なものを得るために行う職業のことです。
まとめ
それぞれ似たような意味を持っていますが、若干ニュアンスが異なります。
そのため、使い分けされています。