この記事では、「随一」と「唯一」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「随一」と「唯一」の違い
「随一(ずいいち)」と「唯一(ゆいいつ)」の大きな違いは、「相対的な比較対象があるのかないのか」です。
「随一」という言葉は「相対的な比較対象がたくさんある中での一番優れているもの」を意味していますが、「唯一」というのは「他に比較対象がなくて、それ一つだけであること」を意味している違いがあります。
「随一」は「他と比べて一番優れていること」であり、「唯一」のほうは「ただ一つであること・それだけで比べるものがないこと」を意味しているのです。
「随一」と「唯一」の使い方の違い
「随一」と「唯一」の使い方の違いは、「随一」は「たくさんの比較対象がある中で一番優れているもの」の意味で使われますが、「唯一」のほうは「同じものが二つとないさま・ただそれ一つだけであるさま」の意味で使われる違いになります。
例えば、「他に比べる人(物)がない、ただその人(物)だけの存在」という意味で「唯一無二の存在です」という使い方ができますが、「随一の存在です」と言い換えると「たくさんの比較対象がある中で一番優れている人(物)」という違った意味の文章になるのです。
「随一」と「唯一」の英語表記の違い
「随一」の言葉を、英語で表現すると以下になります。
“the most”“~est”(一番~であるを意味する最上級・もっとも~であるを意味する最上級) “the best”(複数のものの中で一番良い・もっとも優れている) 「唯一」を、英語を用いて表現すると以下になります。
“only one”“sole”(ただ一つの・それだけの・唯一の) “solitary”(たった一つの・他人と交際せず一人だけの・孤独な・唯一の)
「随一」の意味
「随一(ずいいち)」とは、「比較対象が多くある中で一番優れていること」や「たくさんあるものの中の一つ」を意味している言葉です。
「随一」という言葉には、「比べるものがたくさんある中での第一位」や「複数あるものの中でもっとも優れている第一番」といった意味のニュアンスを持っています。
「随一」の使い方
「随一(ずいいち)」は「業界随一のクオリティーを持つ商品」のように、「比較する複数の物事の中で第一位・一番であること」の意味合いで使われます。
「随一」の表現は、「随一の~・~は随一である・~随一(日本随一・世界随一・業界随一)」などの用法・用例で使うという使い方があります。
「随一」を使った例文
・『彼はプログラミング業界で随一の力量を持っています。』
・『富士山は国内随一の標高の高さを誇っている山です。』
・『競争市場で優位なのは、我が社が随一の技術力とサービスを持っているからです。』
・『貪欲は仏教の戒律において、十悪の随一とされるほどに根深い執着なのです。』
・『イチローは野球界で安定した高打率を長期にわたって維持した随一のバッターです。』
「随一」の類語
「随一」の類語は、以下になります。
「一番(いちばん)」……複数の物事・人の中で序列がトップであること。
「ナンバーワン」……比較できる多くの人・物の中で第一位(トップ)であること。
「抜きん出た存在(ぬきんでたそんざい)」……たくさんの物がある中で抜きん出て優れている存在。
「随一」の対義語
「随一」の対義語は、以下になります。
「最下位(さいかい)」……比較できるたくさんの物・人がある中で、一番順位が低いこと。
「劣位(れつい)」……複数の物事・人物を比べた時に、順位や序列が劣っているさま。
「唯一」の意味
「唯一(ゆいいつ)」とは、「ただ一つだけであること」や「他に二つとないさま・それだけで一つしかないこと」を意味しています。
「唯一」という表現は、「他に同じもの(人)が二つとない・ただそれ一つだけしかない・ただその人一人だけしかいない」といった意味のニュアンスを持っています。
「唯一」の使い方
「唯一」は「彼女は当社で唯一の女性パイロットです」のように、「他に二つとない・他に二人といない・ただ一つだけしかない・ただ一人だけしかいない」の意味で使用することができます。
また「唯一」の表現には、「唯一の~・唯一~した・唯一~だけは・唯一無二(ゆいいつむに)」などの用法・用例で使う使い方があります。
「唯一」を使った例文
・『彼は唯一無二の親友なので、どんなに離れていても絆が失われることはありません。』
・『この商品の唯一の欠点は、風雨によって塗装がはがれやすいということです。』
・『ダメなところばかりの私ですが、唯一の長所は暗算が得意なことです。』
・『彼女は、男性従業員が多いこの工場における唯一の女性管理職です。』
・『唯一彼だけが、遭難した冬山から生きて帰ってきたのです。』
「唯一」の類語
「唯一」の類語は、以下になります。
「単一(たんいつ)」……複数ではなくて、一つだけであるさま。
「無二(むに)」……同じものが二つとないこと。
同じような人が二人といないこと。
「オンリーワン」……並ぶものがなくてただ一つだけであること。
ただ一人だけであること。
「唯一」の対義語
「唯一」の対義語は、以下になります。
「有象無象(うぞうむぞう)」……世の中に同じような雑多なものがあふれていること。
同じようなものがたくさんあって、ありふれているさま
「星の数ほどある(ほしのかずほどある)」……宇宙に輝く無数の星のように、数え切れないほどたくさんあるさま。
まとめ
「随一」と「唯一」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「随一」と「唯一」の意味・使い方・例文・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。